三沢から六ヶ所村あたりは小川原湖から始まって、転々と湖や沼が続いている。湿地帯なのだろう。
葦がそよぐ湖面の景色を見ながら進むと、やがてこれでもかと大量の白い風車が見えてきた。
六ヶ所村は原子力だけでなく、石油備蓄基地もあるし、風力発電施設もあるようだ。
とにっかく風車の数が多い。
こんなにたくさんの風車をいっぺんに見たのは初めてだ。
うねうねと丘陵地を抜けて西側の279号線に出ると、あとはこのむつはまなすラインこと田名部街道をひたすら北上。
さっきも書いたようにこのルートも海の側を通っている割にそれほど海が見えない。
大湊線の鉄道と並行して、時々それと交差しながら北へと延びている。
むつ市に着いたら、今度はまさかりの刃の付け根を横断し、下北半島の北側に出る。
むつ市は建物も多くこの辺りでは一番の規模の町だが、今日は素通り。明日の夜はここに泊ることにしている。
さて、再び海沿いに出ると、今度は海がずっと隣にある道だった。荒くれた波が岩礁にぶつかっている。空が暗いせいか、いかにも北の海といった風情だ。
極上湯ばかりとは言え、にゅるにゅる系続きでなんかこう、硫化水素臭の白濁湯みたいなのとか酸性泉みたいなのは無いのかと贅沢な暴言を夫が吐く。
大丈夫、これから行く湯ん湯んも泊まる下風呂も硫化水素臭があるみたいだし、白濁してそうだよと伝えておく。
下風呂温泉の手前は海沿いの道なのに地図には峠と書いてある。
海なのに峠かと思っていると、なるほどアップダウンがある。
やがて右手に漁港、左手に海風にさらされたような温泉街が見えてきた。今夜の宿泊地 下風呂温泉だ。
といっても、いったんは通り過ぎ、海岸線をさらに先へ。
下風呂温泉さつき荘にチェックインする前に、桑畑温泉湯ん湯んへ。
湯ん湯んは8キロほどさらに先へ進んだところにある日帰り温泉で、gaebolgさんのアドバイスによると営業時間が朝11時からと遅めという話なので、下風呂に泊った朝ではなく前日の夕方に訪ねるのが良さそうだった。
正直なところ、下風呂を通過する段階で既に5時ごろだったので、本当はそのままさつき荘にチェックインしたかったのだが、これを逃すとたぶんもう湯ん湯んには入れない。