◆◇青森温泉紀行◇◆
下北半島-十和田-岩木山麓

15.海一望の露天風呂 湯ん湯ん

　海が見える立地ということだったので、てっきり海岸沿いにあるのかと思ったら、陸側にちょっとだけ上る。
　この距離がいい具合に海を見下ろすようになっている。
　青森はどこもお湯は最高だけど、後から思えば一般の人向けの景観重視で選ぶなら、今回の旅行でお勧め露天風呂はここと薬研だけだったかもしれない。

　湯ん湯んは木造の綺麗な建物で、脱衣所なんかもまだ新しく見えた。
　浴室に入ると正面に露天風呂に出るドアが見えたので、まずはそっちに先に入ってみる。

　うわぁお。これは眺めが良い。正面に海だ、海。
　木の柵があって、その向こうに水平線。
　夕方の海は相変わらず一面の雲で、でも灰色でぬりつぶされたようではなく、濃淡があってドラマチック。
　海の向こうにうっすらと山影も見える。北海道なんだろう。晴れていればもっとくっきり見えるはず。
　これはいい場所に露天風呂を作ったなぁ。

　お湯はフロストガラスみたいな薄墨が混ざった白濁。手足はうっすらと透けて見えるぐらい。
　露天風呂はそんなに広くないがとにかくこの景色なもので、夕暮れ時の北の荒れ模様の海を見ながら入るのはなかなかいい。
　温度はぬるめ。湯口ではマッチのような火薬のにおいがする。

　一方内湯のお湯は熱め。肌触りはさらりといい感じ。
　軽くすべすべはするがにゅるとろはしない。
　窓は湯気で曇っていて外はよく見えない(まあ窓の外は露天風呂があるが)。
　休憩室もあって休憩室からも海がよく見える。
　温泉マニアも、普通の旅行者も満足できる優良施設。素晴らしい。