先ほど通った湯野上温泉から会津に行くにはそのまま国道を北上すれば一番近いが、大内宿に寄るために県道の日光街道に入っていたため、そのまま県道を北上することにした。
道幅は広くは無いがきちんと舗装されていて走りやすい道だ。
大内ダムのダム湖の東を通り、峠を越えると木々の合間からちらほらと会津の盆地に広がる町並みが見えてきた。
山道を下り切るとまず目に入るのは緑の水田だ。
うるさいほどの蝉の声と夏空と水田。
ところどころに小山がある他はほぼ真っ平らな盆地。
只見線の線路を越えて国道にぶつかったら右折、一級河川の阿賀川を渡っていつの間にか町の中を走っている。
会津若松の東側を南北にのびる小田橋通りを北上すると、カーナビにお城のマークが出てきた。若松城と書かれている。
あれ? 会津若松にある有名なお城って鶴ヶ城じゃなかったっけ? 若松城っていうのも聞いたことがあるような気がするけれど、この辺に二つもお城無かったよね?
後で調べたら鶴ヶ城=若松城だった。
ついでに鶴ヶ城と若松城以外にも会津城、会津若松城、黒川城と5つも呼び名があるらしい。鶴ヶ城と言うのはむしろ愛称に近いものなのかもしれない。
しかし小田橋通りからはどんなに目を凝らしても鶴ヶ城は見えなかった。
すぐ近くにあるらしいのにな。建物が邪魔なのかしらん。
最後、会津東山温泉に至る県道325号線に入るとき、奴郎ヶ前の変形交差点の所で斜め前方に見えた東庵という店を見て、パパが「前に会津に来たときにあそこに入った記憶がある」と言った。
「五叉路のようなこの道に見覚えがあるんだよ。確かにあの店だった」
昔の
福島旅行記を見たらパパの記憶は正しかった。