子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ ベビーベッドあり、貸切風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
会津と言えば民謡「会津磐梯山」。
その歌詞の中で「小原庄助さんなんで身上つぶした 朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上つぶした もっともだもっともだ」と歌われる庄助さんのモデルは、江戸時代の材木商、戊辰戦争で戦死した郷頭、会津漆器の塗り師などさまざまな説があるが、はっきりとは特定されていない。
会津東山温泉 庄助の宿瀧の湯の庄助は、この民謡に歌われた庄助さんだ。
行って泊まってみたら思っていたよりずっと良かった宿というのがある。庄助の宿瀧の湯もそんなところだった。
ツアーを使って泊まったので、それなりの宿かと思っていたのだが、従業員、部屋、食事、そしてお風呂も細かいところに気を配っている。いろいろな面で金額以上に満足を感じられた。
赤ちゃん連れ歓迎や地産地消のおふくろバイキングといった特色も早くから取り入れているし、川の対岸には能舞台がしつらえてあり、毎晩夜には方言を使った昔話のイベントを行うなど工夫が凝らされている。
かゆいところに手が届き過ぎの瀧の湯は浴室へのアプローチも凄かった。
夜なので景色は判らないが途中に足湯があって、隣にペット用の温泉浴槽もある。
女性が喜びそうなシャンプーバー。これ、初めて見た。沢山のシャンプーやコンディショナーのボトルと小さなカップが置いてあって、好みのものや試してみたいものを適量浴室へ持って行かれるようになっている。
冷たい麦茶のサーバーがあるのは普通だが、何と隣に生ビールのサーバーも。この時間は終了しましたの札が下がっていたが時間が決められていて無料で飲めるらしい。
さらに防水図書の貸し出しもあってお風呂で名作小説も読める。
さて大浴場は庄助風呂と伏見の湯で、朝風呂時には男女入れ替えになる。夜は伏見の湯が女湯だった。
窓の広い大きな内風呂と、隣に何故か白濁した少し小さめのヒバ風呂、子供用の浅い浴槽や、箱湯も並んでいる。
それから露天風呂が付いている。これが素晴らしい眺め。
今日、沢山ロケーションの良いお風呂に入ってきたけれども、一番と言えるお風呂はここだった。
会津東山温泉は湯川に沿って旅館が並ぶが、その滝の一つ、伏見の滝のまさに真横に浴槽は作られていた。
滝はライトアップされて時折色を変える。
それほど高低差があるわけではないが、水量も多く迫力があり音も響く。
これは素晴らしい。
ちなみにお湯遣いはヒバ風呂を除いて循環。
ヒバ風呂だけは掛け流しだが加水、さらに何故白濁しているのかというと、どうもそういう泉質というわけではなく、美容と健康・香りのハーブ湯なるものを兼ねているためか。
この辺にオチがついちゃう辺りが詰めの甘い会津らしいところなんだろうか。
翌朝の朝風呂は庄助風呂に入った。
内風呂の作りは伏見の湯も庄助風呂も似たような感じで、掛け流しのヒバ風呂が香りのハーブ湯ではなく高麗人参風呂になっていたぐらい。
それより露天風呂露天風呂と思って外に出ると、庄助風呂の方は伏見の湯と違って四角い露天風呂の更に先にもう一つ、一段高いところに釜風呂が置かれていた。
伏見の湯がまさに滝の真横にあったとすれば、庄助風呂の方はちょうど斜めに滝を鑑賞する位置にある。
迫力は劣るかもしれないが、景観はこちらの方が好みの人もいるだろう。
このお釜は花春酒造で使っていた日本酒の麹釜を利用したものだそうだ。花春と言えば会津東山温泉の入口の看板にもその名が書かれていた。
なんにせよ、極楽極楽。
朝からこんな景色を独り占めしながら湯に浸かれるとは、まさに極楽。庄助の名前から取った宿だけある。
いや、朝酒しないし、身上つぶさないけど。
なお、庄助の宿 瀧の湯には
と、6種類もの有料貸切風呂があるが、このうち朝風呂に限り無料で幻の湯が男湯に、天寧温泉が女湯に使える。
昔の大浴場の一つだったろうと思える天寧温泉は、貸切風呂というには大きすぎかつ取り立てて洒落ているわけではないが、庄助風呂や伏見の湯とは異なる山口源泉を使っていて、源泉掛け流しの浴槽もある。
天寧温泉の掛け流し風呂は入ったとたん思わず「ぬるいっ」と口にするくらいぬるかった。体温よりわずかに温かいと感じるが、入っているとだんだん体が冷えてくる気がする。
浴槽の隅の方から投入される源泉は熱いのだが、湯量が少ないので冷える方が早いらしい。
そういう意味で、源泉掛け流しとは言っても、鮮度感は薄い。淀んでなまっている感じがある。
ほんの少し磯っぽい臭いと甘い臭い。ここだけ湯の華もあった。
庄助の宿瀧の湯のチェックアウトは遅めで11時まで可。
急ぐ旅でなければ朝風呂のはしごもまた楽しい。