このカルストの湯は変わった日帰り温泉で、週に半分しか開いていない。
正確には月・水・金・日が温泉の営業日で、火・木・土はお休み。
基本的には地元の人のために作られた施設、それも市が高齢者福祉施設の一部として作った施設の一部が日帰り温泉になっているもので、温泉を営業していない日も談話室などは利用できる(土曜日は完全に休業)。
もちろんそんな要旨だから、秋芳洞という有名観光地から近く、カルストなんて名前を付けている割にはガイドブックなどには全然載っていない。
だから意外と入りにくい日帰り温泉であるとも言える。
今回の旅行でも、当初の計画では昨日(土曜日)に秋吉台を観光する予定だったから、入れないと思っていた。
天候に合わせて計画を変更した結果、立ち寄れることになった。
takayamaさんが、一般の観光客向けではないが、温泉にいろいろ入っている人ならこのお湯の興味深さがわかるはず(ヘンなお湯って言ってた)と強く勧めてくれた温泉。
もしかしてすごいB級な佇まいかもしれないと勝手に想像していたが、全然違った。
飾り気は無いものの非常に小奇麗な施設。いかにもお役所が作ったふう。
敷地内に温泉スタンドがあることから期待も高まる。スタンド付きの温泉はだいたい中身も外れない。
ただし何もない場所に建てられた高齢者施設であることから、なんで観光客がこんなとこ来んの?という感じで、地元のお年寄りの冷たい視線も少しばかり感じた。
浴室は清掃のしやすいシンプルな作り。
窓が大きく、外が晴れているので浴室内も明るく感じる。
お湯は無色透明。先日の野沢温泉の時に一部のメンバーで入ったクアハウス津南みたいな壊れにくい泡があった(但し、クアハウス津南の泡よりはずっと脆い)。
最初きしつくかと思った肌触りは、入っているうちににゅるすべとろりとした感じに変わっていく。
においが特徴的。なんだろう? 温泉ではあまり嗅いだことの無いにおい。昆布飴を刺激的にしたような・・
うまく表現できないけど・・気になるけど好きなタイプの臭いというわけではない。
飲泉用じゃないから飲むなとあったが、ちょっと湯口から味見させてもらうと、まったりしつこいものがある。
とにかく温まり方が変な温泉。
首から上がひんやりしているのに首を境に下はぽっぽとのぼせた感じ。これが入浴中から始まり、上がった後、しばらくたっても収まらない。
何だか首の上と下で別の人になったみたいで興味深い。
浴室はクリーンで整った印象だったが、時計だけは後から思いついて購入したものか、家庭のお風呂場にぶらさげるみたいな非常にそぐわない感じの魚の形の防水防滴ものが、ライトからごく適当にぶらさげられていた。
これだけが浴室で浮いているというか、妙に人間臭くて面白かった。