長門湯本温泉から単線の美祢線に沿って北上すれば二駅ほどで日本海側の海岸線に出る。
ここは仙崎。下関に次ぐ山口県第二の水揚げ量を誇る漁港がある。
この山口旅行の前に行った野沢温泉旅行で、みんなに下関の唐戸市場に行くなら仙崎漁港に行った方がいいと勧められた、唐戸市場は観光客向けなので値段も高いだろうと。
その仙崎から橋でつながった青海島。ここが次の目的地だ。
私は青海島も行くなら晴れた日がいいと思っていたので、今回の旅行では諦めるつもりだった。
それにダイビングはしないし、2キロ近くあるはずのメモリアルロードハイキングをする時間も無いだろうと思っていた。
でもなんとなくパパが次は青海島へ行ってみようと言うので来てしまった感じ。
この辺りの海岸線は曇り空の下、どこかぼんやりと霞んだ海にぽこぽこと島が浮かんでいてのどかな雰囲気を作り出している。
ただなんとなく違和感もある。
パパも同じことを考えていたようで、それを口にした。
「海岸線が高い・・というか、道路の位置が低い」
「だよね。目線の高さに海がある。これって海が荒れたら道路沈まないのかな」
青海島に渡る青海大橋は昨日の角島大橋と違ってごく短く、あっというまに島の上。
何も調べていなかったので島のどこに行けば何があるのかよくわからない。
一応ガイドブックに1頁だけ載っているが大半は青海島クルージングの話。それからダイビングとメモリアルロード(青海島自然研究路)がちょっとだけ。
適当に車を走らせると内海か湖のような場所が見えてきた。その湖に突き出すようにアジアンな感じの瓦屋根の建物が建っている。
あそこは何だろうと思っているうちに通り過ぎてしまった。
湖が切れたところに駐車場があった。でも何だか閉鎖されているような駐車場。
その駐車場には青海島自然研究路案内板が立っていて、それを見るとさっきの湖の建物は「タイ養殖観覧場 海上レストラン」なるものらしい。
この時点ではタイというのは国名のタイだと思っていた。だって建物がタイ風って言われればそんな感じかもと思えたので。でも後から調べたら魚の「鯛」だった。あの湖は鯛の養殖場で、でも今は海上レストランを含めて廃業しているらしい。