料金は200円。入浴券は自販機で購入し、受付に渡す仕組み。
脱衣所は縦に細長く狭く、籠などの状況から浴室は混んでいそうだなと思った。
中も比較的狭く感じる。
左側に妙な衝立上の壁があり、その奥に歩行浴の浴槽でもあるのかと思ってのぞいてみたがべつだん何も無かった。
実際お風呂は混んでいた。
あまり観光客らしい人はおらず、手慣れた様子から地元の人が大半だと思うが、年齢層はそんなに高い方に偏ってはいない。
お風呂は壁に対してヒョウタンを縦に割ったような二山のカーブを基調とした変わったつくりでタイル張り。
二山の凹みの部分にやはりタイル張りの円筒形の筒状の部分があり、そこから湯口が二方向に突き出ている。
この湯口の湯がとても貴重らしい。
何故なら入っているお客さんたちが必ずこの二つを独占しようと虎視眈々と狙っているから。
一瞬空いた湯口に近づいて触ってみたところ、湯船と同様ぬるめの湯がばしゃばしゃと出ている。
ここも湯口に「飲むな」と「顔を洗うな」とあるが、湯口を占領した入浴客は必ず顔を洗っている。
中には湯口を誰にも渡すまいと両手で抱え込んで顔をうずめんばかりの人もいた。
淡い、かつどこか傷んだ感じのゆでたまご臭。体温+アルファ程度のぬるさ。
にゅるにゅるではなく、するするする手触り。あっ、こういうお湯も好きだわ。
細かい湯の花あり。浴槽の底の床は泉質もあってずるずる滑るので要注意。うっかりつるっといかないように。
誰かしらが張り付いている湯口の他に、実はもうひとつ壁際にゆるゆるとお湯の出ている場所がある。
でもって、そのお湯はみんなが取り合う湯口のお湯より少し熱い。
こちらは量は少なく、かわりに湯口に析出物がこびりついている。
なお、するするする肌触りは上がるとぺとぺとし、湯上りはさらべた系コーティングに変わった。
長門湯本温泉で入れるのはこの恩湯一ヶ所だけだろうとふんでいたが、あいにくの天気で今日は温泉に入っていようと決めたパパは心が広かった。
「もう一ヶ所に寄ってもいいよ」
確かこの恩湯から歩いて1分しないところにあるはずだ。
もう一つの共同浴場は礼湯(れいとう)と言う。