昨日のチューリップ畑に裏切られた私はもうこの旅行で花を見るチャンスは無いものかと諦めかけていた。
そんな時、ふと車窓から目についたのは・・・
「なんか、ぼたん園って看板があったよ。もしかして牡丹、咲いているかも」
「ふーん」
「あっ、ほらほら、幟もたくさん立ってるよ。今、季節かもよ、寄ってこ、寄ってこ!」
半ば強引に車を曲げさせた。
そうして計画していなかったぼたん園への寄り道を果たしたのだ。そもそも五泉市の牡丹とか今まで全然知らなかった。
牡丹というのは中国原産の豪華な花で、春咲きのものは4~5月に見頃を迎える。百花の王とされ、富貴花、花神など多くの異名を持ち、漢方薬の材料にも使われている。
五泉市の東公園内にある牡丹園は正式名称を「ぼたん百種展示園」といい、およそ120品種5,000株が育てられている。
また毎年5月初旬には五泉市花木まつりが開かれ、東公園の牡丹園では牡丹の鉢植えや花木の苗、野菜、特産品を販売する。
昨日のチューリップはあまりにも悲惨な状態で泣くしかなかったが、今日の牡丹はまさに満開、大輪の艶やかな花が園内を埋め尽くしていた。
あとはもうちょっとねー、天気さえよければねー。
雨が降る様子は無いが、全体的に薄暗く、まったく濃淡の無いグレーの空はどうしても色彩がよどむ。
赤、ピンク、白、紫、斑入りのツートンカラーやうっすらグラデーションになっている花弁はどれも豪奢。
上から園内全体を俯瞰できるベランダなどもあり、昨日のチューリップの分まで楽しんだ。
ほとんど人もいなかったし。