「次はね、この近くの海岸線に十六羅漢岩っていうのがあるみたい。見ていこうよ」
・・・って言ったのに、あっという間に曲がり角を通り過ぎてしまった。海沿いに見どころがあるからてっきり車を停めるところも海側だと思ったら逆だったので。Uターンしてもう一度。さっきの角を曲がって駐車場へ。
行ったり来たりになってしまったので夫がぶつぶつ文句を言うかと思ったが、十六羅漢岩が想像していたより凄かったのでむしろわざわざ戻ってきて良かったねという会話になった。
駐車場の横にはサンセット十六羅漢という三角屋根の軽食兼土産物屋があって、その下に四阿のようなものが見えて、さらに名勝羅漢岩。曹洞宗海禅寺 二十一代目の石川實海和尚が十六羅漢像を刻んだとされる。
見下ろすと荒海に突き出すようにとげとげした大きな岩の塊があり、目を凝らすとその岩のあちこちに仏様の姿が浮き彫りになっている。
遊歩道が岩まで続いているので降りてみた。
風が強い。波しぶきがあがる。青空にくっきりと羅漢像。これは信心なくともこうべを垂れざるを得ない。
十六羅漢像からこれから進む進行方向、山形方面の海岸線を見やると、遠くに一列になって風車が回っているのが見えた。海の空は真っ青だが陸地はまだ雲が多い。