八郎潟は今はほとんど陸地になっているが、地図で見るとちょうど水路で区画された巨大な島があるようにも見える。その干拓されたエリアには橋で渡らなくてはならない。橋の手前は既に日本第二位の巨大な湖の面影すら残さない調整池となっているが、そこを過ぎればひたすら平坦な畑が広がる。
橋を渡れば桜並木はすぐだった。
菜の花は綺麗に咲いている。しかし桜は・・・既に花が落ちたのか全体的に桜餅の葉っぱのような臙脂色に見える。それにさっきも言ったように空の色が酷い。まったく残念だ。
必死で走る車の中からカメラを構える私を見かねて、夫は十字路を曲がった脇道で車を停めてくれた。
わずかながら日が差す。やった、今のうちにシャッターを切らねば。
もうちょっと晴れていたら、もうちょっと花が残っていたら、さぞや豪奢な眺めだろう。うう。
しかしながら桜並木は長かった。その後車を走らせたが、行っても行っても終わらない。さすがは元日本第二の湖だ。えらい規模だ。
さらにもう少し走ると桜と菜の花観賞用の路側帯が見えてきた。なるほどここで停めれば良かったのか。といっても既に薄日はかききえ、再びどんよりとした曇天。さっきのうちに何枚か撮影しておいて良かったと思うほど、あたりは暗くなっていた。