5.湯船からやまなみは見えないけど
やまなみの湯の駐車場はまあまあ混雑していた。
料金には温泉のみ2時間、プールとセット、さらに大広間休憩のついた一日券といろいろある。
今回は水着を持ってこなかったし時間もないのでプールは無理だが、大広間でお昼が食べられる方が良いかなと一日券を購入した。
大広間の場所取りをしてからお風呂へ。
お風呂はかなり広く盛りだくさんだ。
内湯には普通の浴槽と、ミクロ粒子のエステバス、圧注浴のリラックスバス、ジェット噴流の寝湯などがある。もちろん露天風呂とサウナもついている。
脱衣所にもちゃんとベビーベッドがあったが風呂場にもベビーバスがふたつほど置いてある。
昨日の
初花でも感じたが、山梨の温泉は赤ちゃん連れに寛容だ。
お湯の見た感じも初花によく似ている。
モール泉らしい琥珀色で、表面に白っぽい鉱物的な湯の花が沢山浮いている。
肌触りはちょっとべたつき、初花のようなにゅるにゅる感はまったく無い。ウィスキーとぬれた落ち葉のような臭いがする。
加水加熱循環湯で、一応お湯が減った分は源泉を投入しているとあるが、湯口から出ているお湯自体がどう見ても源泉そのものとは思えず、残念だ。
それでも温泉らしさはきっちりある感じで、人気施設なのは頷ける。
結構温まるので、しばらく入った後で露天風呂へ移動してみた。
外気が涼しい。
台風らしい強い風が時々吹き荒れる。
青空は見えるが残念ながら「やまなみ」は見えない。
本当に紺碧さんに教えてもらったとおり可もなく不可もない温泉だけど、まあいいよね。
というか、悪くない温泉だよね。
ただ、甲府盆地にはもっといい温泉がいっぱいあると思っているから、ハズレを引いたような気がしちゃうんだよね、きっと。
風に揺れている竹林がやけに爽やか。
他にも楓や栗の木も植えられている。
カナがもう出たいというのでレナと先に出ていて良いよと体をふいてやると、二人は連れ立って脱衣所へ戻っていった。