お風呂はまず露天風呂に驚いた。
思っていた以上に景色がいい。
さっき駐車場から右手に見えていた景色がそのまま湯船から見える。
ぽこぽこぽこと三つ並んだ三並山のシルエットと麓に掛かる雪と長閑な青空。とても開放感のある良い露天風呂だ。
内湯は結構混んでいたのに、なんでみんな露天風呂に出てこないんだろうなと思った。天気もいいし勿体ないよ。
そう思ったら雪が降ってきた。
お天気雪だ。はらはらと湯船に落ちていく。
お湯の色は無色透明。少し粉みたいな湯の花があって、きしつく肌触り。
ただ、ちょっとこの露天風呂は塩素消毒のにおいはきつい。もうちょっとこれが薄ければいいのに。
景色を見ながらのんびりできるように、手すりの付いた寝湯のスペースが三つある。
そこに寝転がってみたり、深いところでだらっとしてみたりしていたら、ようやく中からおばあさんが一人出てきた。
そして、今日は寒いから露天風呂はぬるいでしょと話しかけてくれる。
「中のお風呂であったまってから出てくると気持ちいいわよ」
ああ、それでみんな中にいたのか。