ペンションと言っても五郎次は外観は小ぢんまりとした旅館か民宿風。いわゆる和風のペンション。
白い壁に筆文字の看板、入り口には少し色あせた朱色の暖簾が下がっている。
入るとまず右手にパン屋とも雑貨屋ともつかないナチュラルショップのようなスペースがあり、その奥が食堂。思ったより座席は多い。
テーブル席はファミレスのようにテーブルごとに仕切ってあって、席に着くとすぐに店の人が出てきてパンかご飯か注文を取りに来た。
私はパン。もともと朝食にはパンを食べるしせっかく天然酵母のパン屋ということを売りにしているペンションだし。
ご飯好きのパパはご飯を選んだ。
単に主食がパンかご飯かというだけかと思ったが、もちろんサラダや目玉焼きなど共通の品目もあるが、パンとご飯はおかずも変えてあった。これで540円はお手頃だ。
暖房はちょっと控えめ。出入り口のドアが開くたびに冷たい風が入ってくる。もうちょっと奥の席にすれば良かったか。
「うっ、さむっ。ここまで来たらあとは地蔵乃湯に入りたかったけど」と私が言うと、パパは入ればいいじゃないかと言った。