お風呂から上がると女将さんがどうぞとほうじ茶と梅干を出してくれた。
良かったらそこで休んでいってもいいよと半開きになった障子の隙間から炬燵の見える部屋を指差してくれるが、そこは女将さんがくつろぐ場所なのだろう、私たちは遠慮して、階段の横に立ったままお茶を頂いた。
女将さんはとても話好きで、銀杏の食べすぎは体を壊すとかいろいろ世間話を聞かせてくれたが、後から上がってきたうつぼさんが質問すると、お湯についても教えてくれた。
沢渡温泉の源泉は一口(一本)だけで、それを共同浴場も近隣の旅館も使っている。
うちはそのまま源泉を掛け流していて、濾過も加水もしていないが、そうでないところもある。
でも最近はお客さんから沢渡のお湯は以前より効かなくなったんじゃないかと言われることもある。
共同浴場から狭い道一本渡るだけで、硫黄成分が抜けてしまう。あちらが入れたてのお茶だとしたら、うちは出がらしだね、と。
沢渡のお湯は熱いという印象があるが、今日の沢渡館のお風呂はそれほどでも無かった。
女将さんは、熱い時は窓を開けて外気温で調節しておくれと言う。それでぬるくして長い時間入っているお客さんもいると言う。
うつぼさん曰く、何度も沢渡温泉に来たが、沢渡館が開いていたのは今日が初めてだったとのこと。
いつもは閉まっていて、立ち寄り入浴をお願いしようにもできなかったそうだ。
外に出ると、もうパパ、やませみさん、義満さん、takayamaさんの共同浴場組は上がっていた。
既にパパは下の公園に車を取りに行ってくれているらしい。
坂を下りはじめるとすぐに下からパパの車が上がってきた。
ここで一郷一会のみんなとはお別れ。
次回は野沢温泉で。
パパに共同浴場はどうだった?と聞くと、前に来た時と違って立て替えてぴかぴかで、二つある浴槽のうちひとつは飛び上がるほどお湯が熱かったそうだ。