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四万たむらの休日

17.中島屋小枝子パパ鉄人伝説



その2 【中島屋小枝子パパ鉄人伝説】

 蕎麦屋の主、小枝子パパは、ぱっと見も、とても孫のいる年には見えない。
 しかも見かけ倒しではないのだ。
 背は高いけど細身なのに、とんでもない超人だったりする。
 例えば・・・
 小枝子パパは蕎麦屋が引けた後、さらにもう一つ夜のお仕事をお持ちだ(夜のお仕事なんていうと危なそうだが、何のことはない、某所でラーメンを作っているのだ)。
 そして全ての仕事を終えて、夜中の1時半とかに、おもむろに車に乗り、真夜中の高速道路を突っ走る。
 そして夜明け前に東北の八幡平とかに到着して朝日を拝み、1泊二日で帰って来ちゃったりする。
 八幡平に一泊二日ぁ!?
 それだけでもきついのに、1日日付が変わるまで働いて、一睡もせずにですかぁ?
 「全然寝ないで走って、現地に到着して朝日を見るとすかっとするんだよ」
 ひぇ~。鉄人。
 しかしせっかくやってきた八幡平は、夜が明けてみたら雲で真っ白で何も見えなかったそうな、ちゃんちゃん。

 そしてその鉄人ぶりは今回の宴会でも余すところ無く発揮された。
 仕事を切り上げて午後から参加した小枝子パパは、夕食前から飲み、夕食中も飲み、夕食後も飲んだ。
 私の真っ正面に座っていたので、その顔色の悪さに心配になった。
 飲めば飲むほど青白くなるのだ。
 「小枝子パパ、顔色悪いですよ」
 「つい数日前まで熱だしていたからな」
 聞けば昨日までしばらくお風呂にも入れなかったという。
 なのに小枝子パパは、12時を過ぎても飲み続け、3時を過ぎても飲み続け、何やらその頃は宴会場となった部屋は死屍累々。それでも生き残ったyuko_nekoさんとサンダーバード隊2名と小枝子パパの計4名は、お腹空いた・・・もうつまみが残ってない、でもあと少し頑張れば夜明けだ・・・夜が明ければ朝食をつまみに飲めるぞ・・・と廃人宣言のような気合いを入れて飲み続け、最後の最後に小枝子パパがうっかりと15分ぐらいうとうとした隙に裏切り者たちは姿を消し、結局ほぼ夜明けまで完徹状態だったらしい。

 しかし本当の鉄人ぶりを発揮するのはこれから。
 当然yuko_nekoさんらが夜が明けた後に睡魔の攻撃を受け次々と倒れた中、鉄人小枝子パパは飄々と風呂をふたつ梯子し、朝食会場にさわやかな顔で現れきっちり食べて、朝のうちに「それではみなさま、一足先に失礼いたします」と何食わぬ顔で蕎麦屋に戻り、1日仕事をして、さらにまた翌日日付が変わるまで仕事をしていたらしい。

 信じられない。

 果たして小枝子パパのパワーの源は四万温泉の源泉なのか!?

 そんな鉄人小枝子パパのお蕎麦が食べてみたい人は、中島屋へGO!
 (但し、小枝子の小窓に騙されてはいけませんよ(笑))



1-18.真夜中の幻の湯へ続く


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