15.三番湯 綿の湯
兎にも角にも鍵が借りられたのだ。早速外湯を巡ってみよう。6時までの2時間ほどに、いくつ巡れるか判らないけれど。
最初は目の前に見えている
綿の湯から。
こちらは三番湯になる。
切り傷やおできのわた(かさぶた?)がよく取れることから綿の湯と命名されたという。皮膚病によく効くそうだ。
独特のカーブを描く屋根。渋温泉外湯にお揃いの、紺の暖簾と幟がかかっている。
大きな木のホルダーが付いた鍵で開けて入ると、これは吃驚、狭いながらも脱衣所にベビーベッドがある(何故か脱衣カゴが乗っているが)。
浴槽の縁は大理石、底はタイル、お湯はほのかに白濁していて底がうっすらと見えている。
温度はさぞや熱いのかと思えば、ちょっと熱めぐらいの適温。鮮度の良い金気臭がして、味も金物をなめたような味。湯口に鼻を近づけると、こちらからは少しゆで卵の臭いもした。
湯口の下に木の枠があり、湯はそこから真っ直ぐ浴室の床へ流れ出ている。浴槽にはどこから入っているのかと思えば、部分的に枠の隙間からぼたぼた垂れているだけ。湯口のお湯が全部浴槽に入ったら、さぞや熱かろう。
適温である分、投入量が少なくなまっているのかもしれない。