沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*
私たちは海沿いの未舗装路を直進した。
なんとかという石灰肥料会社のところを曲がらずに、ドラゴンフルーツ農場へ。
実は実家への土産にドラゴンフルーツを買おうと思って。
去年と違って今年は良いマンゴーが手に入らなかったけど、泊まった自然学校の隣で日本一の美味しいドラゴンフルーツを作っていると聞いて、これは買わなくちゃと思ったもの。もちろんこのドラゴンフルーツが昨日の朝食のデザートに出たやつで、私もそのときに随分と美味しいドラゴンフルーツだと思った。
ドラゴンフルーツそのものは沖縄県内なら道の駅でも空港でもどこでも手に入るが、去年の大宜味のマンゴーに匹敵するフルーツを探しているのだから、絶対美味しいと評判の農場のものを手に入れたい。
そうでなくてもドラゴンフルーツは、見た目の割にあっさりとした品の良い味なので、初めて食べる人はだいたい外見負けして期待はずれに終わることが多いのだ。
白茶けた未舗装路を走るとすぐにドラゴンフルーツ農場に着いた。
昨日、ナイトツアーで中に入っているから、手前にプレハブの小屋があって作業所になっていることを知っていた。
「こんにちはー」
卓上の黄色いコンテナの中に無造作にドラゴンフルーツが詰め込まれている。
挨拶をするとプレハブの中から作業中のおじさんとおばさんが顔を出してくれた。
なきじん海辺の自然学校の隣に広がる大井農園の甘いドラゴンフルーツはいかが?
「なきじん海辺の自然学校で聞いてきたんですが、ドラゴンフルーツを送りたいんですが・・・」
おじさんたちはちょっと困ったような顔をした。
「実はね、今日の出荷分はもう箱詰めして出しちゃったんだ。ここには残っていないんだよ」
どうやらコンテナに残っているのははじかれた規格外のドラゴンフルーツばかりのようだった。
たぶん引っかかったのは大きさの問題だけだと思うから、私としては別に構わないのだが(スーパーなんかではこのサイズのドラゴンフルーツもよく売っている)、農場の方たちからすると、箱詰めで発送するレベルではないようだ。
昨日のナイトツアーの時naruさんに教えてもらったが、ドラゴンフルーツの花は月の満ち欠け潮の満ち引きと関係があって、大潮の晩に一斉に開花する。だから結実するのも同時で、それ以外の時期にはぱらぱらとしか花も咲かないし実も生らない。確かに昨日も一昨日も花も実も少ししか見かけなかった。
そんなわけで出荷できるドラゴンフルーツも限られていたんだろう。どうしようか・・・。
おばさんがふと思いついたようにプレハブの中から籠を持ってきた。
「そうだ、これでも良ければなんとかなるかも」
通常、箱には大玉のドラゴンフルーツを四つ詰める。
ところがたまたま端数が三つ出てしまって、今、農場にはその端数が残っていた。
「赤玉は三つしかないんだけど、たまたま白いので良ければもうひとつあるのよ」
ドラゴンフルーツの果肉は赤と白とある。あと黄色いのもあるようだがこちらは一般的ではないのか私はまだ見たことがない。
赤玉の方が甘みが強いので人気がある。でもうちの子どもたちなどはどちらかというと白い方が好きだ。
ところがこの二つ、外観からは見分けがつかない。だいたい売っているときに「赤」とか「白」とか明記されているが、書いていなければ切ってみるまでどちらがでるか素人には判らない。
もちろん箱詰めして売るときには、普通は赤なら赤、白なら白だけを詰めて売る。だから全部で四つ余っていても今回は出荷できなかったようだ。
「混ざっていて構いません。ぜひ売って下さい」
これでようやく私たちは念願の大井農場のドラゴンフルーツを手に入れることができた。
送り先である実家には「四つのうちひとつだけ切ると色が違うと思うけどびっくりしないで」とメールしておいた。