沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*
時間になって受付前に行くと、もう私たちの他に小さい男の子を連れた家族連れと、カップルが一組待っていた。
係員はライフジャケットを配った。みんなそれを身につける。
受付の所には賢そうな犬が一匹いて、なんとこの犬、ライフガード犬だった。
オレンジ色の専用ライフジャケットを付けていて、そこに「琉球水難救助会 ライフガードマリンドッグ GONTA」と書かれている。
ビーチには白い小さな桟橋があった。
グラスボートには半潜水艦型の立派なものと、本当にただのモーターボートの底にガラスをはめ込んであるものと二種類あるが、ここは後者だった。
桟橋で待っていたのはごく簡単な屋根をつけたモーターボートで、底の一部に長方形のガラスをはめ込んである。
ボートを操るのはメガネを掛けたちょっとやる気の無さそうなスタッフで、全員が乗り込むとすぐにエンジンを動かし始めた。
プロペラが回って全速前進中はガラスの部分からも泡しか見えない。
波打ち際がどんどん遠ざかる。
ビーチにいる人が手を振っている。
ボートはふいにスピードを落とした。
しかし下をのぞいても、海草が揺れているばかりで珊瑚も魚も見えない。
普通グラスボートが止まるポイントは、もっと珊瑚が発達していて魚の多いところなんじゃないだろうか。
ボートはさらにちょこっと移動した。
まだ海草しか見えない。
あれ、ちょっと待て。
「ハリセンボンだー」
うちの子どもたちが水底を泳ぐ一匹のハリセンボンを見つけた。
また少しボートが移動した。向きを変えるとようやく少し珊瑚が見え始めた。
「あっちにもハリセンボン」
「そこにもいる」
珊瑚や岩の影に沢山のハリセンボンがいた。
他の魚も少しいるが、とにかくハリセンボンが多い。
カナとレナと、もう一人一緒に乗ってきた小さな男の子も夢中でハリセンボンを数え始めた。
「10匹見た」
「私は12匹」
競争するかのように数えている。
船が少し移動する度にまたハリセンボンを探す。
「33、34、35・・・36匹もいたよ」
男の子のお母さんは、他にも魚がいるのにそんなにハリセンボンばかり気になるの?と笑っていた。
ひとしきりそのポイントを見物し終えると、スタッフは「次のポイントに行きます」と言ってボートを進めた。
海の上からは古宇利大橋がよく見える。
移動中は魚は見つけられなかったものの、スピードは出さなかったのでヒトデやナマコは見つけることができた。
次のポイントに着いた。
そこでも最初は何も見えなかった。
船が少し回転して、向きを変えたらようやく珊瑚が見え始めた。
こちらにはほとんどハリセンボンがいない。ハリセンボンを数えることに生き甲斐を見いだしていた子どもたちはちょっと残念そうだ。
「あっ、とげとげの魚」レナが言ったが、私は見そびれてしまった。
もしかしたらミノカサゴとかだったのかな。見たかった。