沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*
あっきーさんに教えてもらったとおり、すぐに「くろちゃん」の看板は見つかった。
いくつもいくつもある「お食事の店 くろちゃん この先→」看板。
あっきーさん曰く、この先に騙されてはいけないそう。すぐかと思うといつまでも「この先→」看板が続くのだそうな。
ようやく着いたくろちゃんの建物は外観は仮設のような平屋建て。
隣に自宅の建物もあって、さらに何故か見晴らし台もある。
羽地内海と屋我地大橋が見えると書いてあったので行ってみた。確かに高台で見晴らしはよいが、海までは遠く何が何やら。どちらかというとむせるような緑の里山の景色が印象的だ。
そこはまさに民家(くろちゃんちの住宅)の庭の一部になっているが、テーブルと椅子、屋根が設えてあって、隅にメジロの鳥かごが置いてある。
メジロを撮影しようと思ったが、何故かメジロはえらく興奮していて片時もとまらずひたすら狭い鳥かごの中をぶつかりながら飛び回っていて上手く撮影することはできなかった。
その上、夕方のここは蚊だらけ。
くろちゃんの店の中は如何にも食堂という響きがぴったりの雰囲気だった。
まだ時間が早いからか、他には誰もお客さんがいない。
ただ一人、店の真ん中で食事をしていた女性がいたが、なんとこれは客ではなくくろちゃんの女将さんだった。
「いらっしゃい。机の上のサーターアンダギー食べて良いからね」
ちゃきちゃきした感じの小柄な女将さんは私たちにそれだけ言うと、また自分の食事に没頭し始めた。
確かに各テーブルの真ん中には蒸籠が置かれていて、その中にビニールに包まれてこんがり美味しそうなサーターアンダギーが山ほど。試食用と書いてある。美味しかったらお土産に買っていってねということだろう。
お水も出してくれたが、何故かコップがピーターラビット柄のプラスチックのマグカップ。ほら、幼稚園児が歯磨き用に使うようなやつ。
この手を子供用に出してくれる店は多いが、大人用もこれですよ。結構衝撃的。
壁にメニューが貼ってあって、ソーキそば、三枚肉そば、テビチそば、みそ汁、くろちゃん定食、ナーベラーのみそ炒め、ゴーヤーチャンプルー、豆腐チャンプル、ヒラヤーチーなどと書いてある。ちなみにナーベラーとはへちまのことね。
「お勧めは何ですか?」と女将さんに聞いてみると、
「これよ」と、いきなり自分が食べているものを差し出した。
「くろちゃんライス。これがお勧め」
お勧めはいいんだけど、自分が食べかけの料理をいきなり見せるっていうのも強烈だ。
しかも私たちの後から入ってきた別のお客さんにも同じように勧めていた。だから食べかけだってば。