15分ほど川を遡って漕いだところで対岸に小川が合流しているところが見えてきた。
「浅くなっているから気を付けて下さいね」
ヨーコさんときよしさんに誘導されて小川に入り、カヤックを停めた。辺りには蛸足のマングローブが生い茂っている。
「さあここで降ります」
降り方にもコツがある。座ったまま両足を出してバランスを取りながら降りる。乗るときもその逆で足から乗らずお尻を座らせてから足を乗せること。
浅い川の中に降りるので、当然膝上まで水に浸かる。小柄なレナに至っては、ウエストの辺りまですっぽり水の中だ。
水は冷たくはないけれど靴や服(私の場合はウェットスーツだが)のまま入るのは最初は抵抗がある。
「カニがいますよ、ハサミの大きいシオマネキですね」
ヨーコさんがマングローブの根元を指さす。
白いシオマネキ、赤いシオマネキ、去年
慶佐次のマングローブで見たのと同じだ。よく見るとこの辺はカニの穴だらけだ。
「あっちには魚がいますよー、あれー、陸をジャンプしているみたいですねー。あれはミナミトビハゼ。沖縄ではトントンミーと言います」
知ってる知ってる。トントンミーは名護の21世紀の森公園の海の近くでも見られる。ちっちゃくてシマシマで土と同じ色をしているので見分けにくいが、じっと見ていると動くので判る。