沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*
何とかパパは難しい作業をやり終えた。
まだ熱を持ったガラス玉は本来の色が判らないほど赤く光っている。
それをしばらく立てかけて冷ます。
30分ほど冷まさないと次の作業ができないと言われ、私たちは汗を拭き拭き建物の外へ出た。
中庭には大きな扇風機が設置されていた。
日影に座って涼む。
この一群の建物は久米体験館と呼ばれているが、久米島の久米ではなく、那覇の久米町辺りの建築様式を模して建てられている。
久米町周辺は中国からの移住者が多く、中国風の文化が多く取り入れられているのだそうだ。
30分ほどペットボトルのイオン飲料を飲んだりして休息をとり、それから工房の中を見に行った。
さっき作ったガラスのトンボ玉はすっかり冷えて、希望したとおりの色を出していた。レナの不透明なガラスを使ったトンボ玉も、出来上がってみると不透明なガラスと透明なガラスがマーブル模様に入り交じり、想像していたよりずっと可愛らしいものに仕上がっていた。
次の作業はトンボ玉を棒から外すこと。
これもさっきのスタッフの女性が丁寧に教えてくれる。ちょっとぶっきらぼうだが火を扱う危ない仕事だと思えばてきぱきと指示するのもよく判る。
こするようにぐるぐると回しながらトンボ玉を引き抜く。この作業からは危険が無いので子どもたち自身にやらせることにした。
二人ともできたばかりのトンボ玉に興味津々だ。
それから編み紐を選ぶ。
単色のものとグラデーションになっているものがあって、二人はそれぞれ違うグラデーションのものを選んだ。
スタッフの女性はさっき私たちが涼んでいた中庭の日影に移動して、木のテーブルに画鋲を打ち付けた。
画鋲に選んだ編み紐を引っかけて結び目をひとつ作る。
「さあ、私のお手本を見て同じように編んでみてね」
子どもたちはスタッフの正面に座り、やはり同じように打ち付けてもらった画鋲に紐を引っかけて編み始めた。くるりと回して中を通して、それから右と左をチェンジ、その繰り返し。
紐がグラデーションになっているので左右が判りやすいのは助かった。
少し難しい作業だったが二人とも集中してやり遂げた。
スタッフの女性は笑顔を見せて、大人でも間違える人がいるけどがんばったねと子どもたちを誉めてくれた。
そしてカナとレナの腕のサイズに合わせてブレスレットの紐を調節してくれた。
「さあ出来上がり」
但し注意点がひとつ。
「ガラスはまだ中まで冷え切っていないので、今日、冷房の効いた部屋などに置くと急激に冷えて割れてしまいます。だから包んで袋に入れて渡しますから、明日まで開けないようにして下さいね」
「袋も冷房のない部屋に置いた方がいいですか?」
「ちゃんと包んであるのでそれは大丈夫ですよ。明日のお昼になったらもう出して身につけても大丈夫です」
完成した素敵な手作りアクセサリーに二人とも満足しているようだったので、今日の体験はこれで締め切ることにした。
「どうだった? むら咲むらは面白かった?」
「うん、とっても面白かったよ」
久米体験館トンボ玉アクセサリー担当のお姉さんはとても丁寧に教えてくれた。素敵なブレスレットの完成。