沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*
公設市場の入り口も目立たない。
アーケードの天井部に「公設市場」と書かれたシンプルな看板が下がっているだけだ。
それを目印に曲がると、そこにはもっとディープな空間が待っている。
東京新橋のガード下にも似たアーチ型の煉瓦組みの建物に、肉屋や魚屋、総菜屋、何故かケーキをショーケースに並べた洋菓子屋が混ざっているのが何とも異色だ。入り口の外側には果物屋もある。
そしてこの辺り、小さなスペースにいくつも店舗があってそれぞれに店番がいるが、いつ見てもほとんど客はいない。観光客で賑わっている牧志公設市場とは雲泥の差だ。
片隅には段ボールの空き箱や空きコンテナなどが積み上げられている。
そこここで店の従業員が数人固まってひたすら無言でモヤシのひげをむしっていたりする。
最初に来たときはあまりのとっつきにくさにどう買い物をしたら良いか困ってしまったくらいだ。
肉屋ひとつとっても、何軒か有り扱っている品物もほぼ同じだが、前回と同じ店で買うことにした。
ケースにも入れずそのまま目の前に固まり肉を積み上げて売っている。
去年もここで買ったんですよとと言うと、ポルトギューと書かれた辛みソーセージのようなものをおまけしてくれた。
去年は1キロ以上はある豚のレバーをでろんと入れてくれたっけ。公設市場と名の付くところは必ず何かおまけしてくれる。
公設市場を出たところにある果物屋で半端な島バナナを見つけた。
去年、沖縄らしいフルーツはいろいろ食べ比べてみたが、島バナナだけはまだ食べたことがない。普通にスーパーで売られているフィリピンや台湾のバナナと比べてどう違うのか気になっていた。
島バナナは小振りでがっしりしている。スーパーのバナナのように2~3本に分けては売られておらず、だいたい10本以上くっついた房のまま売られている。
房のままだと多すぎて食べきれないかもしれないし、お値段もさっきのはい菜やんばる市でも千円ぐらいしていた。
それがここで3本ぐらいのものを見つけた。どうやら房が折れたか部分的に買っていった人がいたのか。
房の状態のバナナはここでも700円したが、この小さいものは聞いてみると200
円で良いという。
よし、買いだ。
「今日だとまだ熟していないからあと二、三日置いてね。熟してないと渋いから」
了解。