12.レアチーズケーキと黒糖ババロア
最初はデザートはいらないと言っていたカナだが、レナの席に置かれたレアチーズケーキを見て、私もあれが食べたいと言い出した。
ええー、普通のお店ならいいけど、またここでイレギュラーなデザートの追加とかしたらあのマスターパニック起こすんじゃなかろうか。勘弁してよ。
「レアチーズケーキ、追加したいんですけど・・・」
「はあ」
最初にまとめて注文してほしいんですよね、と言わんばかり。
「ちょっと待ってください。数が足りるか確認してきますね」
店の奥へ消えた。
うう・・・これでもうレアチーズケーキがないとか言われたら、やっかいだな。
心配になったが、幸いレアチーズケーキはあと一つだけ残っていた。
しかしこのデザート追加で食事の準備は益々後ろにずれ込んだようだった。
黒糖ババロアは美味しかった。
甘さ控えめ。大人の味だ。つるりんと口の中で溶けてしまう。
待つのが嫌いなパパや、落ち着きのない子どもたちと一緒でなければもっとゆっくり味わって食べたいところだ。