海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*
メニューは子どもの頃、暗記に使った単語カードのような止め方をしてあった。
和紙に毛筆で洋風のメニューを書いてあって洒落ているけど読みにくい。
でも注文前にマスターの一言で出鼻をくじかれる。
「すいません、ご飯ものはまだお米が炊けていなくて・・・あと20分ぐらいかかりますけど」
・・・い、今が12時前だっていうならともかく2時もとっくに回っている。
ご飯が炊けてないって・・・
ちゅ、中途半端な。
「それじゃあ、デザートを先に頼んで、食べている間にご飯を作ってもらうっていうのもありですか?」
「あっ、はい。でも、何もかも一人でやっているのでいっぺんには出せないですよ」
はあ・・・。
というわけで注文したのはパパがコロナビール、私が黒糖ババロア、レナがマンゴーレアチーズケーキ。
ビールは流石にすぐ出てきたが、デザートは二ついっぺんに注文が入っただけでおたおただ。こちらからするとデザートなんて今から作るわけじゃなし、冷蔵庫で冷やしてあるのを皿に盛って出せばいいと思うのだが、マスターの慌てぶりを見るとそんなものでは済まないらしい。
実際に席に届くまで5分以上かかったような気がする。
単に手際が悪いのか。
デザートを準備している間に料理の方も注文した。
「とろ~り卵のオムライスひとつと、旬野菜と鶏肉のタイ風カレーひとつ・・・」
「待ってください。タイ風カレーは今から作るの、難しいなぁ」
へ!?
「じゃ、じゃあ」気を取り直して、と「今日のきまぐれ日替わりご飯っていうのはできますか?」
「あっ、それならなんとか」
「内容は何ですか?」
「タイ風スープカレーです」
・・・か、カレーはできるんじゃないのっ それならそうと最初から言ってよ。
もうこのマスターとのやりとりは脱力するというか何というか。
一筋縄ではいかない妙なテンポだ。