海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*
マンションに戻って子どもたちを寝室に送り出してから、パパは冷蔵庫からウニを取り出した。
昨日、古宇利島で買ってきた生ウニだ。
「今日中に食べた方が絶対美味しいからな」
もうお腹一杯だし、眠くもあったから、さっさと寝ようと思っていたのにな。
「そんなに言うならしょうがない。付き合います」
大人二人でウニをつまみにダイニングで飲む。
やっぱり古宇利島のウニは美味しい。
おじさんの採りたてには敵わないけど。
それに食べても食べても減らないようなこんなに贅沢な量、そうそう食べられない。
古宇利島の生ウニ。食べても食べても減らないほどたっぷり。
「美味しかった。ごちそうさま。じゃ、寝るから」
ところが今度はアイスクリームが食べたいと言い出すパパ。
「コンビニに行って買ってきて」
まるっきり子どもだ。
「嫌だよぅ、だいいち私は今、アイスなんて食べたくないし」
「じゃ、A&Wに行く」
A&Wは古き懐かしいアメリカをイメージしたファーストフード店。沖縄ではエンダーと呼ばれることが多い。
A&W名護店はこのマンションから徒歩1分だ。
「今からA&Wに行くの? あの店夜遅いといつも混んでいるし、冷房効きすぎて寒いから嫌」
でも結局折れて、A&Wに行くことにした。
念のため長袖を持って。
もう11時半だというのにA&Wは大繁盛だった。
煌々と灯りのついた店内は、カップルやらファミリーやらで席の大半が埋まっている。
「何でこんな時間にこんなに混んでいるの」
思った通り冷房ががんがんに効いていたので早速長袖を羽織った。
実は昼間のA&W名護店は名護市内で最も旅行者率の高いところの一つだ。
駐車場を見れば判る。レンタカーの「わ」ナンバーばかり。
しかし夜になれば状況は一転。夜中は沖縄の人ばかりだ。何、こちらは顔を見れば判る。
沖縄の人は夜更かしなのだ。海で泳ぐのだって夕方過ぎだし。
思えば沖縄のマクドナルドもマックスバリュも24時間営業だった。
沖縄では時間がのんびり流れる代わりに夜と昼の区別もないらしい。
パパはチョコのかかったワッフルサンデー、私はストロベリーのスラッシュを注文した。
「なにそのスラッシュって」
「うーん、よく判らない」
出てきたものはジョッキに入った溶けかけたかき氷みたいなもの。
あまりに冷たくてとても全部は飲めなかった。