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海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

16.夕暮れビーチの小さな探検隊










 カナとレナは海から上がらせて、軽く水のシャワーで流した後、ワンピースに着替えさせた。
 お腹が空いたーと言うのでソーセージなど食べさせた。
 そしてお腹がいっぱいになったら、二人は何か面白いことないの?と言い出した。
 「探検に行ってくれば?」とパパ。
 もう21世紀の森公園は何度も来ているのだから勝手は分かるだろう。
 それに慎重派のカナはどうせそう遠くへは行かない。
 「探検・・・?」
 不安そう。
 「携帯電話ひとつ持っていっていいよ」
 パパのを持たせた。
 「判った。じゃあ探検に行ってくるね」
 ちょっと嬉しそうに二人は手を繋いで歩き出した。



■上の左右 えっ、ご飯食べ終わったら探検に行っていいの?
■右下 走るお肉屋さんだって。バーベキュー客のために配達専門の肉屋さんが公園内で待機。



 隣の外人グループは益々人数が増えてきた。
 反対側の隣はうちと同様、子どもを二人連れた一家族だけでホッとした。
 他にも土曜日の公園はバーベキューする人々でいっぱい。
 さっきコンロを運んでくれたお兄さんに聞いたら、この公園の予約、平日は二、三組、週末はほぼいっぱいになる人気だそうだ。
 関東なんかだと、こういうときはアウトドア用のタープを張るのが一般的だけど、こちらでは運動会や自治体の行事で使うような業務用テントが多い。椅子やテーブルも少なくレジャーシートだけ。
 そのテントの下で車座になって、泡盛かオリオンビールを飲んでいる。
 管理事務所に近い方の一団は、日も落ちる前から既にどんちゃん騒ぎの宴会は終わり、すっかり語りモードに入っていた。
 そんな中、うろうろしている浴衣のお姉ちゃん三人組が目に付いた。
 手に袋を沢山提げている。
 パパはちょっと見ない間にちゃっかりそのお姉さんたちから袋をもらってきた。
 何のことはない、ドコモのキャンペーンガールだったらしい。袋の中にはちらしと団扇が入っていた。
 団扇に書かれた宣伝コピーは「ドコモがエイサー」・・・。
 沖縄でしか通じない駄洒落だった。

 携帯電話が数分おきに鳴る。
 出てみるといつもカナだ。
 「ヤドカリを発見しました」
 「綺麗な貝を発見しました」
 「紫の花を発見しました」
 探検は順調なようだ。
 時々シートに戻ってきては、水分補給をしたり果物を摘んだりしてまた出かけていくのが楽しいようだった。




■左 時々後ろを振り返りながら探検に出発する娘たち  ■右 ドコモのチラシを配って歩く浴衣姿のネェネェたち




7-17浜辺の夕空へ続く


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