海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*
沖縄には道の駅は四つしかない。
そのうちひとつはまだ行ったことがないが、残りの三つの中で道の駅おおぎみはダントツで小さい。
なんとなく今風の道の駅というより、一昔前のドライブインという名称の方がしっくりくる。
去年同様軒下には沢山のフルーツが並べられていた。
パイナップル、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツ、マンゴー。そして軒からぶら下がっているのは青い島バナナ。
向かって左側のテントの下にマンゴー専用コーナーができていて、思わず吸い込まれるように入ってしまった。
激安とは書かれているものの、箱詰めになった贈答用マンゴーはやっぱり高い。
見ていると前に立っていた男性が薦められるままマンゴーの箱を買っていた。
「スーパーなんかに売っている奴はもう全然駄目だよ。マンゴーは鮮度が命なんだ。ここ、触ってみな」
果肉の部分ではなくへたの部分を差し出す。
「ほら、吸い付くみたいだろ。ここが乾いているとマンゴーはもう終わり」
確かにへたの切り口の処がぺたっと吸い付くようになる。
「へぇー」
「ここのマンゴーはどれも新鮮だよ」
なるほど。
さっきの男性が並んだ箱の中で一番いいやつをと言って買っていたので、「さっきのの次にいいやつを下さい」と言って買ってみた。
おじさんは、これだな、とひとつ取って、蓋を閉めてくれた。
「東京に送るの? 今日の便に間に合えば明日、そうでなければ明後日には着くよ」
そしておまけにスナックパイナップルをひとつくれた。
「下の方がちょっと痛んでいて売り物にはならないんだけど、今日収穫したばかりの美味しいパインだよ」
ちなみにこのときおじさんに教わった方法で、後日名護のスーパーと道の駅許田の箱入り贈答用マンゴーの鮮度を確かめてみた。
スーパーのへたはもうすっかり乾いてからっから。
道の駅許田はほんのわずか吸い付いた。
但しこっそり確認していたらお店の人に見つかって、触らないで下さいとチェックされてしまった。
くわばらくわばら。
おじさんに選んでもらったマンゴーの箱を持って、道の駅の中で発送手続きをする。
この紙に住所と名前を書いて下さいと宅配便の用紙を渡され、書いて返したのは良いのにしばらくして受付のおばさんは、「えーと、あなたに頼まれた商品はどっちでしたっけ?」と、頼りないことを言ってよこした。
「これです、このマンゴー」
「ああそれだっけ」
危ない危ない。