3.カヌチャすぎてます
あっと思ったら、もうカヌチャを行き過ぎていた。
最近はリゾートホテルに泊まるだけのお金があったら、安宿でも一日でも多く沖縄に滞在する道を選んでしまうため、もうカヌチャには縁がない。
カヌチャを過ぎてしばらくして、今度は「すぎてます→カヌチャベイホテル&ヴィラズ」の看板。
「ターン」とか「手前○キロ」みたいな看板はよくあるけど、「すぎてます」はツボにはまってしばらく笑いが止まらなかった。
嘉陽ビーチを境に、再び道の景色は海沿いから山の中に変わる。
この辺りも住所は名護市だが、やんばるという呼び名の方がしっくりくるようだ。
次に海が見えるのは慶佐次湾だ。
ちょうどこの湾の北側に天然記念物のヒルギ林がある。
慶佐次湾の周りもちょっとした集落になっている。
ここはもう名護市ではなく東村になる。
ガソリンスタンドが一軒あったので、そこで給油した。
「この辺、ところどころにカヌーのツアーの看板があるけど、慶佐次でマングローブカヌーのツアーをするっていうのも、ちらっと考えたのよね」と私。
「ふーん」とパパ。
「でもさ、夜の探検と違って一人6千円ぐらいかかるから、果たして額面通りの満足が得られるか判らなくてさ。レナとか漕いでくれなさそうだし」
大人一人6千円、子ども一人3千円だとすると、我が家の場合1万8千円だ。それなりに痛い。
「でも夜の探検が面白かったから、来年はカヌーのネイチャーツアーを申し込んでみるかな」
「いいかもね」
来年また来られる保証はないけどさ。