駐車場を挟んで遊具と反対側にマングローブの生い茂る川の中州と遊歩道が見えた。
マングローブというのは川の真水と海の塩水が混じり合う汽水域に、海水に耐える特殊な樹木が集まり森や林を形成しているものを言う。植物の一名称ではなく、森そのものを指す。
マングローブに生える植物はヒルギ類などで、慶佐次川流域ではオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの三種が見られる。
これらの植物は耐塩性があるという点で他の植物と違うが、その他にもタコの足のような根を持っていたり、種子が枝にあるうちに根を出していたりと様々な特徴を持っている。
そして海水でも育つマングローブ林は、水質浄化や地球温暖化防止といった環境改善に役立つのではないかと今も研究が進められている。
このマングローブ、日本では沖縄の一部を除き非常に珍しいものだが、オーストラリアフリークの我が家では
ケアンズ周辺で見慣れたもののひとつだったりする。
だいたいあちらの海に近い川の河口など遡ると、もう右も左も行く手も全て人跡未踏のマングローブ林で、そんな中に危険なソルトウォータークロコダイルがごろごろいたりする。それが日常の風景だ。
そう言う意味で、これまでここは「沖縄でどうしても見たいもの」というほどでは無かった。
東村ふれあいヒルギ公園はマングローブ林の横に遊歩道が作られている。
遊歩道はマングローブ林に沿って延びて、植物を上から横から様々な角度から観察できるように、高くなったり低くなったりして続いている。
子どもたちが遊具で遊んでいるので、ちょっと大人だけで様子を見てこよう。