海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*
ビーチから帰ってくると、いつもマンションの玄関からお風呂場に移動するのに難儀する。
サンダルにも足にも白い砂がいっぱい。
浮き輪にもゴーグルにも白い砂がいっぱい。
とにかくお風呂場に飛び込んで、シャワーを出す。
子どもたちの髪を洗いながら、ちょっと聞いてみた。
「これからお祭りに行く?」
「行かない」とカナ。
「行かない」とレナ。
「牛の闘いがあるんだよ」
二人の目が丸くなった。
「牛の闘い?」
「そう、お祭りで牛と牛が闘うの」
「・・・お祭りかぁ。牛の闘いの他に何があるの?」
「あと、ダンスがある」
ダンスとはエイサーのことだ。エイサーは沖縄の盆踊りだ。
「お祭り行く」
カナはお祭りに行けば屋台で何か買ってもらえると考えたようだ。カナが行くと言えばレナも行くという。
これで決まりだ。
「カナもレナもお祭りに行くって」
「えっ」
一番吃驚したのはパパのようだ。
本部海洋祭りをわざわざ探し出したのはパパなのに。
本部海洋祭りの前夜祭は午後6時から。
場所は本部町多目的イベント広場とあったが、それがどこだかいまいち判らない。
明日のハーリーだのフリーマーケットだのが行われる渡久地港と谷茶公園は知っている。渡久地港は水納島へ行く高速船の船着き場だし、谷茶公園は渡久地港の隣の公園だ。去年、水納島へ行く前にカナとレナが遊具で遊んだ。
とにかく渡久地港まで行けば判るだろうと、夕方の海を見ながら本部半島へ車を走らせた。
低い太陽が正面から目を射る。眩しい。