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海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

4.牧志公設市場を探して






 去年の沖縄旅行では、那覇観光に当てた一日だけ雨が降った。
 それも那覇を離れたとたん晴れてきたっけ。
 だから那覇の町中は雨の印象が強い。
 国際通りなんて水浸しだった。

 那覇の牧志公設市場も去年行くつもりでいた。
 でも土砂降りの雨に車を出る気にもなれなくて素通りしてしまった。
 いつの間にかパパが狭い通りの時間貸し駐車場に車を入れようとしていた。
 「ここから歩いて公設市場に行くの?」
 「そんなに遠くないはず」
 辺りの景色は昭和初期のノスタルジー漂う感じ。
 日差しが強いので街路樹の落とす影が強いコントラストを産んでいる。
 しばらく歩くとアーケードになった商店街に出た。
 アーケードの屋根の部分に「サンライズなは」と書かれている。
 角の電話ボックスの上にはシーサーが鎮座していた。
 「ここどこ?」
 手を引かれて歩いているカナが辺りを見回して言った。
 「商店街」
 「うちの近所と同じじゃん」
 思わず苦笑。そう言われると実も蓋もない。
 沖縄は本土といろいろ雰囲気が違うけど、それでも海外旅行に来た訳じゃない。商店街に並ぶ商品も見慣れたものだし、看板だって日本語だ。


■左 牧志公設市場を探して歩き出す  ■右 電話ボックスの上にも魔除けのシーサーが 



 パパが通りすがりの人に牧志公設市場の場所を聞いた。
 あっちの方と指をさして教えてもらう。
 またすぐアーケードがあらわれた。この辺りは全部繋がっているらしい。
 別の人にもう一度行き方を問うと、今度はアーケードの中だと教えてくれた。
 こちらはさっきのアーケードに比べると観光要素が強そうだ。Tシャツ屋や沖縄そば屋が並んでいる。Tシャツ屋の軒先に並ぶシャツの胸元には、偽善者、低所得者、貧乏人・・・と、散々なプリントがされている。
 「こっちだ」
 見上げると、店舗の屋根近く、高いところに「公設市場 入り口」と白い看板が下がっている。あまり目立たない。
 通り一本まるまる公設市場なのかと思ったら、通りと通りの間の冷房された一角だけが公設市場なのらしい。
 恐る恐る入ってみると・・・



■左 あんまりと言えばあんまりな単語が並ぶTシャツ屋  ■右 市場中央通り 電信柱の上の方に「←公設市場中央入口」の看板が見える?




1-5牧志公設市場へ続く


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