22.新たな台風の知らせ
夜はパパが、本場沖縄のシェフにも負けないと自画自賛するゴーヤーチャンプルーを作ってくれた。
子供たちにはジーマーミー豆腐も出した。
「これなに?」と懐疑的なまなざしを向けたカナだったが、隣で先に一口食べたレナが「美味しいよ」と言うと黙ってスプーンを口に運んだ。
今日の昼に買った海ぶどうも出した。
レナが「海ぶどう、海ぶどう」と嬉しそうにつまんでいる。
ネオパークの花火は9時少し前に始まったようだ。
マンションのバルコニーからは見えなかったが、裏側へ回って、エレベーターや非常階段のある通路からはぎりぎり見える角度だった。
パパがそこから見えることに気が付いて呼んでくれたが、「でもやっぱり遠いからあまりよく見えないよ」
「子供たちにも見せて上げようよ」
「・・・判った、連れてくる」
しかし子供たちが到着してすぐに、花火は終わってしまった。
えっ、たったこれだけ?
「見たかった」
「パパとママだってほとんど見てないよ。すぐ終わっちゃったもの」
わざわざヤンバルクイナを避難させたほどの花火なんだから、もっと盛大に上がるのかと思っていた。
それほどのものでもなかった。ちょっと残念。