七日目 2005年8月29日(月)
毎日毎日お天気には恵まれて、しかも台風13号が沖縄目指して突き進んでくる中、丸一日有効に使える最後の日、今日が例え曇天でももう気にならなかった。
東京なんて台風11号がやってくる何日も前から前線が刺激されて雨が降っていた。沖縄で今、雨模様でないだけ幸いというものだ。
だって今日は海に行くわけではない。
昨日、ネオパーク・オキナワで天然記念物ヤンバルクイナに会い損ねてしまったカナが、どうしても沖縄を離れる前にヤンバルクイナに会いたいと言うので、やんばる地方目指してドライブすることにしたのだ。
やんばる(山原)というのは、沖縄本島北部、特に名護より北の大宜味村、国頭村のことを差す。
そのほとんどが亜熱帯性の原生林で覆われ、最北端まで行けば辺戸岬や芽打バンタなどの景勝地が待っている。
昨夜、パパと相談した。
意外にも、沖縄で確実にヤンバルクイナを見ることのできる場所は少ない。
もしかしたら昨日のネオパーク・オキナワが唯一かもしれない。
こんなに名前が売れているのに飼っているテーマパークは皆無に等しい。
国頭村にやんばる野生生物保護センターがあるが、そこでも情報こそ手に入っても本物を飼っているわけではないらしい。そもそも野生動物保護センターは今日は休館日だ。
パパ、昨日カナにヤンバルクイナのいるところに連れていって上げるなんて安請け合いの約束していたけど、本当に大丈夫?
「うーん、まあやんばるに行ってみて、探す努力をして、見つからなかったら帰りにヤンバルクイナのぬいぐるみでも探すことにするよ」