2.名護の朝市
本当だった。
川沿いの市街地に、小さな青空市が立っていた。
よくこんなの見つけたねぇと言うと、パパはガソリンを入れようと裏道に車を入れたらやっていたと教えてくれた。
一番手前の店は、男の子三人連れたお母さんの出しているもの。
古着や古本と並んで、お菓子のおまけに付いてきたようなポケモンの玩具がごちゃごちゃと箱に突っ込んである。
今さらポケモンがブームのカナとレナは、すっかり夢中になって覗き込んでいる。
オーストラリアでもいつもそうだが、マーケットを見つけると、パパは子供たちに小銭を渡す。
自分で選んで買って良いよと。
二人はそのポケモンを買うことに決めたようだ。
ただ、とりあえず先に一周してみることにした。
まあ頑固なカナは、最初に決めたものを決して動かそうとはしないだろうけど。
次に目に付いたのはビーズのアクセサリー屋さん。
若いお姉さんが店番をしている。
カナとレナが覗き込むと、子供サイズの指輪を沢山ある中からいくつか選び出してくれた。
カナは水色のビーズを、レナは透明なビーズを選んだ。
手作りでひとつ20円。