お風呂はあちらと言われた方へ進むと、小さな体育館のような薄暗い部屋があって、卓球台やボルダリングの設備があった。
ボルダリング設備の向かいぐらいに浴室のドアがあり、中はやっぱりスポーツジム風の更衣室になっていた。
お風呂はめちゃめちゃシンプル。
浴槽の縁だけ御影石で後は壁も浴槽の中も床も全部飾り気のないタイル。
でもってお風呂の横に「プール・バーデ入り口。これより先はプールです。水着を着用してご利用下さい」の貼紙が。
そうしているうちに、エクササイズ用水着にスイミングキャップを被った女性が一人、私たちの横を通過して、貼紙の矢印の先へ消えて行った。
プールとお風呂の更衣室が共通なのは普通として、プールから戻ってきたら浴室でそのまま水着をぬいでお風呂に入れる構造は合理的と言えば合理的。
でもプールに入らずに最初から水着も着ないで水着の人を見送る自分がちょっと間抜けな感じがする。
お湯は薄黄色っぽく見える透明なもの。
特筆すべきは泡がものすごく沢山浮いていたこと。
これが、腕に載せても壊れない。異常に丈夫。シャボン玉みたいな感じ。
でもつぶしてもぬるぬるはしないんだよ。何だか不思議。
しかもこの泡、最初はそれこそ湯船中に浮かんでいたんだけど、時間が経つにつれて排水する穴の方に徐々に移動していき、いつの間にか一つもなくなってしまった。
そして再現できないの。
湯口の近くでは小さな泡も次々生まれるんだけど、それはすぐに消えてしまうし、自分でばしゃばしゃやって人工的に作り出そうとしても作れなかった。
後で受付で聞いたところ、この泡は朝一番に浴槽にお湯を貼った時だけ現れるそうだ。時間差があったのか、男湯の方はみんなが入った時はもう無かったらしい。
やませみさんにも聞いたところ、これってモール+重曹の泉質でアルカリ性の温泉の場合、午前中に行くとたまに見られる現象なのだそうだ。
この旅行のあとに山口旅行に行き、意識して泡を探してみたらやはり割れにくい泡のある温泉はあったが、この時のクアハウス津南の泡ほどには丈夫じゃなかった。
あれはなかなか面白い。クアハウス津南に朝一番に入ることがあったら泡で楽しめると思う。
泡以外の特徴としては、ちょっと油っぽい感じのにおいがする。
温度は最初から適温。湯口から出ているお湯は熱めでぎりぎり素手で触れるぐらいの温度だった。
手触りはオイリーでぬるぬる。
たまぁに茶色い湯の花なんかもあった。