鳴子温泉巡り旅
夕御飯にはさっき鳴子の肉屋で買ってきた馬刺を出した。
これがまあ、脂身が綺麗に層になっていて極上の味。
デビさんとくららさんは温かいご飯の上に乗せて馬刺丼にしていた。
失敗したなと思ったのはニンニクとか生姜とかを買ってこなかったこと。
いっそキャンプ場を回って誰か持っていませんか?と聞けば手に入ったかもしれない。
松島のさかな市場で買ってきたエビも焼いた。
そしてご飯が終わったらいよいよバースデーケーキの登場だ。
パパは丸く並べるとは言ったものの、ウジエスーパーで買ってきたそのケーキは元々長方形を三角に切り分けたしろもの。どうやったって丸くはならない。
「いいんだこれで」
ああ、四角いものを丸いと言い切るタイプか。
トレーラーの中にケーキを運び込む。
「ロウソクは?」と子どもたち。
ごめんねー、ロウソクは無いんだ。
チョコ嫌いなカナはショートケーキを選び、他の面々もそれぞれ好きなケーキを選んだ。
そして子どもたちの横に座ったデビさんがハッピーバースディの歌を歌ってくれた。オペラ歌手よろしく、身振り手振りをつけて腹筋を聞かせた低~いビブラートを効かせた声で。
子どもたち大笑い。
帰ってきてから今回のキャンプ、何が楽しかったって聞いたらベスト3に入っていたよ、このときのデビさんの歌。
それから外に出て花火をした。
普通の手持ち花火だけど、一番怖かったのが何故か線香花火。軸が紙じゃなくて金属の棒だから丈夫なのはいいんだけど、どういうわけか落下したときしばしば爆発する。ボンッて。
恐怖のあまり、まずカナが脱落、それからまりなちゃんもやめて、最後にレナももういや~と言っていた。
端から見ていると面白かった。
そしてこの夜も子どもたちは興奮しちゃって寝ない寝ない。
遊びに使っているテーブルをベッドに組み立て直しもせず、もうゲーム機も飽きたのか、今度は紙を小さく切ってたまごっちのお店に見立て始めた。
大人は眠かったのでお先に休ませてもらった。
朝になってから聞くと、ついにベッドの形にはせず、椅子の部分にそれぞれカナとレナが寝て、まりなちゃんはテーブルの下で寝てくれたらしい。
ごめんね。