14.湯巡り途中でちょっと買い出し
ここで再び温泉巡りに出発する前に、くららさんの旦那様、デビさんに言付かった買い物を済ませてしまった。
東多賀の湯の隣がウジエという名のスーパーマーケットだ。
ここでキャベツとタマネギを購入。
その他にもやれ餅だ、シリアルだと買っていたら、大袋二つ分ぐらいになってしまった。
小雨のしのつく中、重そうな袋を下げて戻ってきた私たちに屋代さんはびっくり。
そして出発してすぐにデビさんから電話が入った。
「ピーマンもお願い」
「もうスーパーを出ちゃったから無理」
ついでに子どもたちの様子を教えてもらう。大人しく遊んでいるみたいでホッとする。さっき心配でうちのパパにも電話をしてみたのだが、いくら呼び出し音を鳴らしても出なかったので、きっと携帯は車の中にでも置きっぱなしで飲んでいるのだろうと思っていたところ。
電話をしているくららさんの口から「益子さん」の名前が出た。
てっきりさっき
丸進別館で会ったばかりだから、デビさんのところにもくららさんと会いましたという電話でもあったのだと思えば、後から聞いたらキャンプ場にご本人が現れたのだそうだ。
私たちが鳴子でぐるぐると温泉巡りをしている間、男性陣三人はキャンプ場で楽しく飲んでいたらしい。
「鉄分の入っている温泉は、そんなに熱くなくてもよく温まります。私の右肩の骨折の後もお世話になった温泉です」
そう言って屋代さんが案内してくれたのは、今度は
東鳴子温泉まるみや旅館だった。
「但しここは日帰り入浴は行っていません。私が一緒なので特別にご案内します」
そう、屋代さんは今年の6月に肩を骨折されて、一ヶ月以上辛い思いをされていた。
6月というと、ちょうど私も入院していた頃だ。
突発的な病気や怪我で日常生活をおくれなくなるのは本当にきつい。
良くなって初めて、好きな温泉に自由に入れることに感謝できる。