◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記
10.西澤屋で軽めのランチ
この後を予想する天気予報も雨だったし、完全に止む期待は無く、小降りになったところで店にはお礼を言って横矢芳泉堂の屋根の下から出た。
とりあえず気兼ねなく雨宿りをする場所を探そう。
さっき見つけた宝の家の日帰り入浴受付時間まで4~50分というところ。
早めのお昼を兼ねて何か食べていればちょうど良い。
横矢芳泉堂から少し坂を上ると道の左手に西澤屋という食事処を見つけた。
場所は大日寺方面の分岐を過ぎて勝手神社の先で再び道が二本に分岐している分かれ道の辺り。
折りたたみ傘をたたんで暖簾を潜った。
吉野の店によくある作りで、畳のスペースの奥には見晴らしの良い窓がある。
肌寒かったのでストーブの近くの席に座るがそれでも少し寒い。
葛餅と葛しるこ、それから甘味よりもがっつり食べたいカナのために柿の葉寿司を注文する。
私たちが店に入った後も、雨に追い立てられるように何組かの観光客が慌てて店に入ってきた。
葛餅も美味しかったがやっぱり一番興味深かったのが葛しるこ。
イメージしていたお餅の代わりに葛餅が入っているようなものとは違い、全体が葛でとろみがかって面白い食感。もっと食べたいという気持ちになった。
柿の葉寿司はカナ曰く、大神神社の万直し本店で食べたものとは少し味が違ったそうだ。お店ごとにそれぞれ特徴があるのね。
11時半過ぎに西澤屋を後にして、足元から跳ね返るほどではないもののしとしとと降る雨の中、通りすがりの勝手神社を見学する。
見学すると言うが、この勝手神社、悲しいことに本殿は2001年に不審火で焼失している。鳥居を潜った跡地には石組だけが残った空き地のような場所があった。
この本殿は源義経の恋人であった静御前が舞を舞った舞塚があったことでつとに知られる。
何もかも雨にぬれていて、ますます物悲しい雰囲気を醸し出していた。
ここからは麓に向けて引き返すコース。
少し坂を下ればすぐに
宝の家。
まだ雨は降っている。