◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記
金剛蔵王大権現特別ご開帳拝観は、まず本堂の蔵王堂に入り(内部は撮影禁止)、最初にこの伽藍や蔵王大権現についての説明を伺う。
蔵王堂の柱に使われた木材は全て異なる種類の木から削り出されているということや、仏教の仏様の多くはインドから日本に伝わったが、蔵王大権現は日本独自の仏様であり修験者が信仰したことなど。
それからグループごとに順番に案内されて、青い姿の怖ろしげな三体の蔵王権現の外側の回廊を一周し、蔵王権現のすぐ前に作られた簡易な小部屋でお祈りをさせていただける。
他のグループに気遣いすることなく間近に蔵王大権現を見上げてひと時の時間を過ごすことができるようになっている。
金峯山寺本堂の中は撮影禁止なので、この頁の画像は本堂外観や本堂周辺
三体の金剛蔵王大権現は中央が過去を司る釈迦如来、向かって右が現在を司る千手観音、左が未来を司る弥勒菩薩が仮の姿を現しているものとされる。
中央のひときわ大きい蔵王像が現在でも未来でもなく過去の世を司っているということが少し意外だった。
恐ろしい顔に自分自身の悪いところを見透かされているような気持ちで拝観を済ませ、奥にある写真展のようなものを見て伽藍の外に出た。
伽藍の中と外では空気が違う。
あの中には確かに違う時間の流れのようなものがあった。
外は現世だ。
雨の近づいた大気はますます重く湿ったものになり、辺りの景色にも薄い紗を掛けていた。