◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記

27.ロープウェイなのかケーブルカーなのか

　吉野のロープウェイは吉野大峯ケーブル自動車株式会社というところが運営していて、吉野ケーブルと呼ばれ公式サイトでもケーブル時刻表やケーブル運賃などと記載されていたので、私はてっきりロープウェイではなくケーブルカーなのだと思っていた。
　しかし目の前で見るとどう見てもロープウェイにしか見えない。やっぱりこれはケーブルカーではなくロープウェイだった、それも日本最古の。

　桜の柄がプリントされたゴンドラが下りてきて停まると、階段状の乗り場から私たちを含めて20人ほどの乗客がぞろぞろと乗り込んだ。
　特に景色の良いロープウェイというわけではなく、単純に移動用の乗り物という感じの景観。
　3分ほどで山上駅に着く。山上と言っても山のてっぺんではなく下千本の七曲坂を上まで運んでくれたにすぎず、吉野の山はむしろこの先を差している。

　今夜の宿　桜山荘花屋は、夜桜を見るなら吉野に泊まる必要があるという前提条件を元に、福利厚生の関係から限られた宿泊施設の中から予算だけで選んだ。
　本当は昨夜の長谷寺温泉井谷屋のように温泉宿が良かったが、条件に合うところは無かったので。
　桜山荘花屋は名前は今どきの洒落た旅館風だが、吉野の観光協会のサイトなどでは民宿扱いになっている。
　場所もロープウェイの山上駅から近いというだけで、まあ行けばわかるだろうとちゃんとした地図などプリントアウトしてこなかった。

　山上駅を出ると道が一本。
　道の両側には土産物屋や食事処、それから桜の木。
　この辺りの桜は満開。実のところ、まだこの時期では山上駅周辺が限界で、そこより上に上るとだんだん蕾が多くなり、花見にはまだまだかなと思われるのだが、とにかく駅の辺りはいい感じに咲いていた。