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本栖湖・浩庵キャンプ場便り
*水着で過ごす湖畔の休日3*

9.黄昏富士のシルエット



 それから子供たちがスポーツドリンクが飲みたいと言いだし、まあさっき誰かさんは結局トランポリンできなかったなというのもあって、もう一度浩庵受付まで戻った。
 ここはちょうど五千円札の富士山として有名なビュースポットだ。
 富士山が見えようが見えまいが、いつも何人か観光客がいる。
 夏場は霞んで見えないことが多く、去年も二度の滞在で明け方に一度シルエットで逆さ富士が見えたきりだった。
 今日もカップルが見えない富士山に向かってシャッターを切っていた。
 パパが頼まれて本栖湖を背景に二人の写真を撮ることになった。
 「見えないなんて残念だなぁ」
 「結構見えないんですよ、昨日から泊まっているけど富士山が見えたのは二日間でほんの5分ほど」と私たち。


結局またまたトランポリン


 夕方のトランポリンも終えてテントのところまで戻ると、黄昏の降りてきた湖の上に再び富士山が頭を出した。
 そして富士山が纏う雲も淡い茜色に輝き始めた。
 本栖湖と富士山。
 これが見たくていつも浩庵に来るのだ。
 夢中で写真を撮っていると、今日の昼間に新たにテントを立てた一家が風呂にでも行って来たものか、ちょうどテントに戻ってきた。
 車は三重ナンバー。
 「三重からいらしたんですか?」
 「そうです。毎年ここに来るんですよ。浩庵はいいです。景色もいいし静かで。そちらは東京から?」
 「はい。ちょうど富士山が出てきたところですよ。昨日は丸一日駄目でしたね」
 益々空は燃えるように赤くなり、そして暗くなった。
 タープから見える近くの山に大きな白っぽい鳥がとまっているのがずっと見えていた。くちばしが長く、首がS字型だった。
 夕暮れ時、ずっと同じ木から動かなかったその鳥は、ばっさばっさと大きな翼を広げて湖の向こうへ飛んでいった。



上は先月の新潟旅行で買ってきたホタルイカの姿煮

左はマッターホルンの名を持つ甲州ワイン
(仏語ではマッターホルンはモンセルバンと呼ぶ)





3-1.本栖湖のMOSSY(モッシー)へ続く


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