6.河口湖の温泉
天水は河口湖北岸から少し坂を上ったところにあるなかなかゴージャスな建物だった。
インターネットの割引券で大人1,000円のところ800円だ。
立地条件と施設の規模からいったら結構リーズナブルな感じがする。
ロッカーはコインが戻らないタイプ。脱衣所にはよくあるベビーベッドではなく、大人サイズのベッドがどーんとあり、赤ちゃん用と書かれているのが笑った。
内湯はジャグジーの付いた大きめの浴槽と、寝湯が二つあって底が繋がっている。ここの温度はまあ適温。
外に出ると露天風呂は四つの浴槽で、他にサウナの建物があった。
この四つは二つずつそれぞれ繋がっており、サウナの前の打たせ湯などのある二つの浴槽はぬるい(下段はほとんど水)。ジャグジーと圧注浴の設備のある二つの浴槽は少し熱めに調節してある。
特徴的なのは臭いと肌触り。
しつこいくらいの昆布出汁の臭いにわずかに灯油の臭い。肌触りは昨日の
下部温泉かがみゆ以上のぎしぎしとしたこすれるようなべたつくような感触だ。乾くとつっぱるような感じも少しある。
のぼせるわけじゃないのだけど、どうにも長く入りっぱなしになれない強いお湯だ。
少し入っては出て岩の上で休んで、また少し入っては長く休んでという感じ。露天風呂のスペースは決して広いわけじゃないが、あちこちに休むためのペンチや四角い石が置いてあって、ちょうど良い。
囲われていて景色は見えないが、杉林の中にあるので、背の高い杉を見上げていると古い神社の参道にいるような錯覚を覚える。ただ、花粉症の人は春に入るのは厳しいかも。
四季を通して喧噪の中にあるような河口湖に、こんな温泉があるとは知らなかった。
ただ、お昼時だったせいか空いていたのが幸い。そろそろ出ようとしたら急に混み始め、あっという間に洗い場には行列が出来てしまった。
休憩室で待っていたパパは、昼食は別の場所で食べようと言う。
確かに施設の規模やお風呂の感じに比べて、ここでの食事はちょっと見た感じそれほどではなさそう。
待っている間に買ったのか、パパはガイドのとら「富士山麓」を手にしていて、近くに宝刀屋敷みさか路という店があるから行ってみようと言った。