4.特賞、大当たり
内湯の場所が判らなかったので、途中にある厨房のようなところで聞いてみた。
すると、入ってきたのとは別の階段を下りて、自動販売機のところで左に行くようにと教えてもらえた。
宝川温泉といえば露天風呂。
内湯はずいぶんと目立たないようだ。
教えられたとおり階段を下りて自動販売機のところまで来ると、やっと表示があった。左へ進み靴を脱ぐ。
みんな露天風呂へ行ってしまってこちらは誰もいないかと思ったが、内湯もそれなりにお客さんが入っていた。
とはいえ脱衣所も浴室もとりたててこれというものは無い古さ。
ちゃんとシャワーとカラン、シャンプー、リンス、ボディーソープは備え付けられている。
子供たちを洗ってから入らせた。
二槽に別れていて、向かって左側が熱め、右側がぬるめだ。
わずかに茶色っぽい湯の花が舞っているだけで無色透明。
臭いは前に宝川温泉に入ったときにも感じた温かい湯か沢水のような臭いしかしない。
パパが待っていると思うとあまりのんびりはできない。
ここではやはり露天風呂がメインだし、と思い、急いで上がり着替えた。
yuko_nekoさんもすぐに出てきてえんぴつさんも続いたが、晶さんだけはまだ入っているようだ。
「私が子供たちと一緒にパパを迎えに行ってくるから、yuko_nekoさんたちは晶さんが出てきたら先に露天風呂の方へ行っていて」
「じゃあ熊の檻の辺りで待ち合わせよう」
息を切らせながら休憩室へ戻ると、だださんはいなくてパパだけが所在なげに待っていた。
だださんは一人でお風呂に行ってしまったそうだ。