取りたてて塩味がするというわけでもないのに、やたらと良く温まる。
しばらく入っているとのぼせてしまうくらい。
硫黄の臭いのする白濁泉だが、アルカリ性の塩化物泉だ。
お湯の白さはちょうど細かい白い粉を溶いたように綺麗で、その分足下が見えず、浅くなっているところに気づかず何度か足をぶつけたりした。
「これはがっちゃん気に入ったと思うよ」と、yuko_nekoさんが言い出した。
「だとしたら良かった。おぶせ温泉を勧めた責任があるからね」
「ちょうど松本から来たでしょ。あっちで入った温泉はみんな無色透明であっさりしたやつだったから」
これは本当で、上がったらがっちゃんが凄く喜んでいた。
「もうね、脱衣所から中に入って、真っ白なのを見たとたん、やったーと思った」
「そぉんなに気に入ってくれたんだ」
「臭いとか色とか、もうこれだよ、求めていたのはって、そんな感じ」
でもまさか、この旅行中にがっちゃんが三度も入りに行くとは思わなかったよ、
おぶせ温泉あけびの湯。
子供たちは車の中で大人しく待っていた。
買ってきたイオン飲料を飲ませて出発。
・・・って、今度はどこへ?