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◇◆がんばれ新潟◆◇
雪国のお正月2007

1.くさやを巡る攻防












三日目 2007年1月2日(火)



 「雨が降っているよ」
 えっ、うそっ。
 真冬の新潟と言えばとにかく「雪」と思っていた私に、雨の知らせは寝耳に水だった。
 いやいやそんな、いつまでも寝ているわけにはいかない。起きなくちゃ。

 今年は暖冬だ暖冬だとは聞いていたが、まさか雨が降るとは思わなかった。
 今日は2007年明けて二日目。
 私たちはみらいにあと2泊する予定だけど、yuko_nekoさん一家はもう帰る日だ。
 ちび姫ちゃんはうちの娘たちと遊べる貴重な時間を無駄にしたくないとばかり、朝から私たちの部屋に来てカナやレナとポケモンの人形を広げている。




 それから階下に降りていき、子どもたちは今度はポケモンのボードゲームを始めた。
 レナが少しぐずったので、自分も一緒に参加してみる。
 しかしルールがめちゃめちゃ。子どもたちはゲームに付いてきた説明書通りに進めるのではなく、自分たちがやりたいように勝手にルールを改変しているので、後から加わった私など不利なことこのうえない。
 ルーレットを回して出た数字のポケモンカードをゲットだよと言われてカードの山を探ったけれど、子どもたちがみんな先にゲットしちゃってレベルの低いのしか残っていなかったりする。
 「ずるいよー、ルール違うじゃん」と適当に相手をしていて、昨日の夜のことを思い出した。
 昨日も子どもたちは夕食前、炬燵の周りでこのゲームに興じていたのだ。
 すると、隣の部屋から異様な臭いが漂ってきた。
 異様というか・・・牛乳が腐って発酵したものを火にかけて焙ってその悪臭をわざわざ周辺一帯にまき散らしているような・・・。
 げっ。
 ちょっとパパ!!
 くさやを焼いたでしょ~!!
 信じられない。
 私はくさやが大嫌いだ。人一倍臭いに敏感な私は、あの腐りきった臭いが耐えられない。
 臭いはすごいけど美味しいんだから食べてみなと言われて、昔一応口に入れてはみたが、口中から鼻に抜ける強烈な臭いに吐くかと思った。
 流石に吐きはしなかったが。
 二度と食べたくない。
 でもパパはくさやが大好きだ。
 しばらく前に手に入れて冷蔵庫にしまってあったのは知っていた。
 酒と肴の好みを共通とするyuko_nekoさんなら絶対喜んで食べてくれるに違いないと、今回持ってきたのも知っていた。
 でもでもっ。
 前日体調を崩して気分の悪い私がいることを知っていてわざわざこの日に焼くか?普通。

 「げー、なにこの臭い」
 「くさーい」
 子どもたちはてんでに鼻をつまんで二階へ逃げてしまった。
 後に残された私は炬燵から起きあがる力も無く、そのまま炬燵布団で鼻を塞いでばったりと横になった。
 「うう・・・く・・・くさい・・・・もうダメ・・・」
 子どもたちが再びバタバタと足音を立てて戻ってきた。
 下に置きっぱなしだった人形を取りに来たのだ。
 「人形たちも早く脱出させよう」
 「このままじゃこの臭いにおいにみんなやられちゃう」
 そうだそうだ。・・・誰か私も助けてくれ。
 人形たちを避難された後、カナがもう一度戻ってきた。
 「ママ、一緒に二階へ逃げよう。暖房もつけてもらったからあったかいよ」
 あ、ありがとうカナ・・・ママを見捨てないでいてくれて。
 避難する私たちを唖然とした目で見ていたのはパパとyuko_nekoさん。
 「こんなに美味しいのに・・・」
 うう、悪いけど、くさやだけは人間の食べるものじゃないよ。あとドリアンもね。
 ちなみにくさやを食べ終わった後、二人は一階の空気を全部入れ換えてくれた。
 このとき部屋で寝ていたがっちゃんも後からくさやのことを聞いて、「俺もあの臭いは苦手ー」と言っていた。
 良かった。
 がっちゃん、同士だ。
 そんなこともあった。
 昨夜ね。



3-2みらい納豆おにぎり納豆へ続く


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