3.海の家 千鳥
鯨波海水浴場は日本の渚100選にも選ばれたことのある新潟県屈指の海水浴場だ。
海に向かって右手には岩場が、沖の遊泳禁止区域との境にはテトラポットが積んである。
道と海との間に何軒も海の家が建ち並ぶ。
それぞれの海の家に前では日焼けした若い呼び子たちがてんでに団扇を振りながら「こちらへどうぞー」と笑顔で道行く車を勧誘している。
賑わう呼び込み合戦の様子は、昔、静岡に苺狩りに行った時を思い出した。
あのときも各ビニールハウスの前で若い子たちが大きな苺のおもちゃを振り回しながら勧誘していたっけ。
選びかねて行きすぎて、海に突き出した大岩の洞窟の先のトンネルを潜ると、新潟県柏崎マリーナだった。
白い瀟洒なモーターボートなどがいくつも停泊している。
戻って最初に目に付いた海の家に車を入れた。
それとも団扇を振っていた女の子がパパの好みだったのかも。
車から水着姿で飛び降りてきた子供たちを見て、海の家の若い男の子たちは、
「おお、水着ギャルだ」
「水着ギャルだ」と、大サービスでもてはやしてくれた。