子連れ温泉ガイド子連れ温泉ガイド地熱愛好会 > 子連れ旅行温泉日記 > がんばれ新潟 雪国に春は来たか > 連休明けの罠

◆がんばれ新潟 雪国に春は来たか◆4-5


5.連休明けの罠

 トンネルを抜けるとスキー場だった。
 ナビに乗っていた九十九折りの旧道は未舗装で、冬季はスキー場のゲレンデになっているらしい。
 しかしスキー場はあるけれど、大沢山の温泉旅館はどこにあるのだろう。ゲレンデの駐車場に車を止めて途方に暮れてしまった。

 大沢山温泉というと、日本秘湯を守る会の冊子で大沢館の写真を見たことがある。湯船からの景色はまさに絶景。しかしそこは立ち寄り入浴を受け付けていなかったはずだ。
 もうひとつ、高七(たかな)城というところもあったはず。こちらはかなり手広く立ち寄りを受け付けていたと思う。
 ちなみに目指すは幽谷荘。どんなところだろう。
 平日でがらがらのゲレンデ駐車場にいても、場所が全くわからなかったので、出たところにあるラーメン屋で道を聞くことにした。

 週末はスキー客で混雑するであろうラーメン屋も、今日は見るからに暇そうだ。
 中に入ると主と女将と顔馴染みらしい客一人、世間話をしている。
 「あのう・・・」
 三人がいっせいにこちらを振り向く。
 「幽谷荘への道を教えていただけませんか?」
 三人とも顔を見合わせる。
 なんとはなしに、嫌な予感がした。
 「幽谷荘さんなら、いまそこに」
 主に紹介されて、ただ一人の客が決まり悪そうにこちらを向いた。
 と、いうことは・・・。
 「今日はお休みだ」
 やっぱり~。


奥に見える民家のような建物が幽谷荘(と、このときは思っていた。実際はその手前(右に三軒見える真ん中の家))


 平日はどこも空いていていいんだけど、その代わりに狙いすぎるとこういう落とし穴が待っている。特に今日なんて連休の直後だもんな。やられたー。

 「それじゃあ、どこか立ち寄りでお勧めはありますか?」と、当の幽谷荘の主に伺うのも見るからに間抜けなんだが。
 「大沢館さんは立ち寄りやってないからなー、高七城さんがいいんじゃないの」
 「ありがとうございました」
 意気消沈してラーメン屋を出たが、ふと思い返してもう一度暖簾を潜る。
 「あ、あのー」
 「・・・まだ何か?」
 「高七城への道を教えていただけますか?」

 スキー場を出て最初のT字路を右へ曲がる。さらにもうちょっと先をもう一度右へ。
 すると三軒先に幽谷荘が建っていた。かなり渋い、民家然とした宿だ。高七城へは幽谷荘の前を通ってさらに奥にあるという。ずんずん坂を上って、雪の吹き溜まりのような行き止まりに、旅籠のような建物が建っていた。


立派な提灯がぶらさがっているのは高七城




4-6.にゅるにゅるすべすべ美肌温泉へ続く


がんばれ新潟 雪国に春は来たか 目次 | 子連れ温泉ガイド地熱愛好会HOME