4.豪雪露天風呂
ガラスのドアを押して外に出てみると、雪に囲まれた露天風呂があった。
こちらも思ったより小さい。それに津南町のリーフレットで見たときには眺めの良い露天風呂だと思ったけれど、とにかく四方雪の壁になっちゃって何も見えやしない。
緑色がかったお湯は本当に松之山に似ている。だけど例えば
松之山のナステビュウ湯の山などと比べると、ぬるめで浅いので小さい子連れにはこちらの方が向いているかもしれない。
お風呂の中を歩いて端まで来ると、ちょうどぼこぼことジャグジーになっている先が行き止まりだった。何やら木の枠がはめてある。覗き込むと、どう見ても浴槽はその先までずっと続いているのだが、雪に埋もれて今は使えない。
たぶん露天風呂は今見えているより3倍ぐらい大きいのだ。だけど豪雪地帯なので、冬季は一部分だけにしているのだろう。ちょっと損した気もする。
しばらく貸切でのんびり入っていると、やがて一組の親子連れが露天風呂に出てきた。
それも私たちが出てきたドアからではない。内湯と繋がったお風呂の端に小さなガラス戸があり、そこを開けると内湯のお湯の中を歩いて出てこられるようになっていたのだ。よく見たらお風呂自体が内湯と露天風呂と繋がっていた。
塩分のたっぷり入ったお湯はよく温まった。
のぼせてきたのでジャグジーの奥に移動して浴槽の縁で涼んだ。目線が上がるとちょうど雪の壁の向こうに雪を被った山が見えた。何だかこれだけで満足。
町の温泉もいいんだけど、やっぱり山の見える温泉が好きだ。
ところでこの露天風呂の隣には石造りの小さな建物が一棟建っている。
何も書いていないがたぶんサウナだろうと思ってドアを開けると・・・もやぁ~とんでもなく濃い湯気で何も見えない。これじゃ中に何があるんだかまったく見えないじゃない。
一歩足を踏み入れると温泉のアブラ臭とは違った生乾きの洗濯物のような臭いがする。あんまりいい臭いじゃないな。
右手にスイッチらしいものが見えて、灯りをつければ少しは中の様子も見えるかと手を伸ばしたら、その上に「気分が悪くなったら押して下さい」の文字。
危ない危ない。
電灯のスイッチだと思って押したら看護婦さんが担架もって飛んで来ちゃうかも。
いやいや待てよ。
湯気を少し逃がしてみるとスイッチの隣にもう一つ別のスイッチが。
・・・おいおい、どっちがどのスイッチだよ~。これじゃほとんど罠みたいなものじゃないか。うっかり押せやしない。
子供たちも呼んでみたが、二人とものぞいただけで嫌な臭いがするとか何も見えないと言って奥までは入ろうとしなかった。
龍神の館の休憩室からは広々とした雪の平原が見えた。
お腹が空いたのでここで昼食にしよう。
苗場山 生 龍神の涙 蔵外不出 原酒 なるお酒が美味しそうだったので頼んでみる。
新潟の日本酒は美味しい。
あとここのカツ丼もカツがさくさくで美味しい。
ここで今夜一緒に泊まる予定のぽこさん一家から連絡が入った。
六日町のICを降りたところなので、これから昼食をとって松代へ向かうとのこと。