◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉
中は広いのに脱衣所と浴室が一体になっているところが外湯っぽい。
長方形の浴室は、木造の四角い浴槽や板張りの床、木組みの天井などきっちりと和風でありながら、正面の窓の形や隅に置いてあるチェアーが洋館風で、全体として大正浪漫の雰囲気を醸し出している。
お湯は明るい灰色の濃い濁り湯。火薬のにおいもとても強い。
四角い浴槽は二つ並んでいて、入り口に近い方が少しぬるく、窓際が熱め、といっても熱すぎはしない。熱めでさっぱりぐらいの感覚。
そして手前の浴槽は中央に丸太を渡してあり、ここに頭を乗せてリラックスしてくださいと言わんばかり。
共同浴場にありそうな木の湯口の樋にはクリーム色の硫黄成分が沈殿している。
肌触りもよく、何から何までいかにもという温泉。
勿体なくもざばざばと掛け流されていくお湯に入っているだけで贅沢な気分になる。
湯船に浸かって窓から見える緑も鮮やかで幸せ。
いい風が入ってきた。