◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉
脱衣所は結構広々として、主張する手書きの温泉分析表がいい味を出している。
浴室はシンプルだった。
洗い場の床は全面畳。窓は広く、その窓の外にはいかにも露天風呂がありそうな雰囲気だったが、露天風呂があるわけじゃない。内湯だけ。
思ったより浴槽は大きく、お風呂の縁やお湯の流れるところは赤く染まっている。
別にお湯自体が赤いわけではなく、うっすらと琥珀色に見えるがもしかしたら透明なのかもしれない。
細かい白い湯の花が沢山表面に浮かんでいる。
においは淡く感知できるかと思ったときに洗い場で洗う人の石鹸のにおいが流れてきて消されてしまった。
先客は三人。
女性グループで、ずっと休む間もなくしゃべり続けていた。見たところ力関係がはっきりしている。何かと一人だけ立場弱そう。
この人たちが蛇口を全開にして加水しまくっていた。
私には適温だったけど水を止めたらもう少し熱いのかもしれない。一度水を止めたがほんの数分でまた全開にしていたから。
そんなわけでなかなか湯口には近寄りがたいものがあったが、コップがあるので一度だけすいませんと声を掛けて傍まで行って味見させてもらった。
薄い甘じょっぱい味にわずかにジュワっとくるものがあって飲みやすい。飲んだら金気臭がした。
窓の外の景色的に露天風呂がありそうに思えるが、無い。
お肌すべすべ系の温泉で、入っているときは特別に温まる感じはしなかったが、出たら汗をかくほど温まっていた。そのギャップが面白いお湯だった。